2021年10月25日

雇用保険マルチジョブホルダー制度が新設されます


『「いい会社」への成長支援!』の成戸です。
ご愛読ありがとうございます!
今週も会社経営と人事労務のヒントをお伝えします。

◎雇用保険マルチジョブホルダー制度が新設されます

定年延長もなんとなく議論され始めている中、雇用保険では新たな取り組みを始めます。

従来の雇用保険制度は、週所定労働時間が20時間以上かつ31日以上の雇用の見込みがなければ雇用保険に加入できない仕組みでした。

安心して働き続けるようにするには雇用保険加入条件を緩和させる必要があります。そこで以下のような制度が始まります。

雇用保険マルチジョブホルダー制度
複数の事業所で勤務する65歳以上の労働者が、そのうち二つの事業所での勤務を合計して所定の要件を満たす場合に、本人からハローワークに申し入れを行うことで、特例的に雇用保険の被保険者となることができる制度

条件に合致した被保険者のことをマルチ高年齢被保険者と呼ぶそうです。(何かに騙されているかのようなネーミング…)

条件として
1.複数の事業所に雇用されている65歳以上の労働者であること
2.二つの事業所の労働時間合計して1週間の所定労働時間が20時間以上であること
3.二つの事業所のそれぞれの雇用見込みが31日以上であること
となっています。

65歳を超えて二つ以上の会社で働く、どのような想定なのでしょうか?
短時間勤務ながら兼業は、健康でないと大変ですね。

さてこのような被保険者になり退職時には高年齢求職者給付金がいただけます。イメージ的には退職金だと思います。

被保険者期間が1年未満であれば基本手当日額の30日分の支給
被保険者期間が1年以上であれば基礎手当日額の50日分が支給されます。

もちろん雇用保険の被保険者になった日から雇用保険料の納付義務は発生します。
この制度は申し出により加入できる制度なので入りたくない場合はただ申し出をしなければ良いだけになっています。

申し出があれば当然事業主が手続きをする必要があります。ご注意ください。

この制度の効果がいかほどかは全く私には未知数です。高齢者の就業継続につながるのでしょうか。もちろん財源が厳しいことも理解しておりますが、いっそのことを保険料を免除にした方が良かったのではないか、そんな気もします。

お役に立ちましたか?今日はこのへんで。
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2021年10月18日

求人とモチベーション、望ましいメッセージ性


『「いい会社」への成長支援!』の成戸です。
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今週も会社経営と人事労務のヒントをお伝えします。

◎求人とモチベーション、望ましいメッセージ性

私の住む岐阜県関市はあまり都会とは言えない場所にあります。当然近隣も似たような様子でありまして、この時期は田んぼの籾殻を燃やす匂いが広がる田園地帯が多くあります。それぐらい田舎です。

近年、中小企業では慢性的な人不足に悩まされています。コロナ禍で減ったわけではありません。コロナ禍で会社が倒産して求人数が増えたわけでもありません。

経営者と話をすればどうすれば採用できるかの会話が必然と多くなります。やはり現状把握しかありませんが、地方の中小企業に就職しようとする者の就職理由は、そうそう難しい根拠を持っているわけではないことが多く、

単純明快で、
会社が家に近い、
働きやすそう、
賃金額が近隣の企業と比べて少し高い、
学生時代の先輩がいる友人がいる、
縁故、
そんな内容が多く、就職した人が初出勤日まで自分の仕事内容を知らなかった、ということもあります。

上記理由のために偶然その人の条件を満たした場合に、なんとなく応募してくると言う、文字通り運と縁に頼った方法になりがちであり、実際のところそのような出来事に恵まれることが少ないのが現状です。

ある会社の社長さんは「この業界はハラスメントや低賃金、長時間労働が多く、同業種で働いた人の転職理由はこれが多いから、自社ではハラスメントや低賃金ではないと主張して来てもらおうと考えている」とおっしゃいました。

いわゆる衛生要因視点からの採用です。不満を解消する提案です。ただし衛生要因は要因をクリアしてもモチベーションはプラスマイナスゼロなので積極的な求職応募動機には繋がりづらいものと考えられます。

衛生要因と対をなす動機づけ要因によって行動して欲しいところですが、冒頭に挙げたようにわかりやすい理由で会社を選んでおり、社会問題を自分で解決した大きな目標をもつような人がやってくることもありません。

そのため動機づけ要因
・達成すること
・承認されること
・仕事そのものへの興味
・責任と権限
・昇進や成長

の中でも特に「承認されること」「成長」あたりが求職者の心に響くのではないかと考えられます。

承認と表現すると難しく感じられるので、もう少し柔らかく「認めること」ちょっと拡大解釈すると「受け入れること」ではないでしょうか。

「成長」は、私のなんとなくの感覚ですが成長努力を大変で、難しく、辛い、軽視する、風潮が感じられています。

豊かな人生はこれらの風潮の真逆の姿勢であり、時には会社が優しく時には厳しく親身になって伝えていく必要があるのかもしれません。

「成長」を拡大解釈して「豊かな生き方」「発展性から未来の拓ける」イメージと繋げると、会社からの良いメッセージとなると思いませんか?

衛生要因中心のメッセージは、良くなったとしてもゼロの地点であり、動機づけ要因はゼロからプラスの表現とメッセージになりそうです。

「自社に入れば辛い思いをせずに働けます」と「自社に入れば安心して働けます」では伝わり方が大きく異なると理解していただきたいのです。

同様に、上記二つのイメージを基にして別々に会社づくりを行ったと仮定したら、出来上がる労働環境はどうしても違うものになると予想できます。

つまり経営者の使っている普段の言葉や思考パターンが会社の姿・労働環境、ひいては従業員の満足・幸せ、露骨には離職率、平均勤続年数、生産性、利益率、会社の存続、様々に影響してくるのです。当然といえば当然です。

これらは近年流行りの過剰なプラス思考信仰や、引き寄せの法則とは違い、論理的飛躍が無いようにすべきです。

そして、自社のあるべき姿を考え、注意深く言葉を選び、結晶化のように企業理念を作り出し、それに沿って自社をPRし、求人採用活動することです。

もちろん表明したら、正直に約束を守る努力を続けること。

結局、求める人財が来る会社は、そうなっている、という結論です。

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2021年10月11日

45歳定年・早期退職制度


『「いい会社」への成長支援!』の成戸です。
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今週も会社経営と人事労務のヒントをお伝えします。

◎45歳定年・早期退職制度

45歳定年が話題となっています。
どこでどう学んだらこのような発想となるのでしょうか。
分からないことが多いので疑問を挙げていきます。

「成長産業への人材の積極的な移動、企業の新陳代謝活性化、個人が企業に頼らない仕組みが必要」と大企業経営者、経済界の発言がありました。

コロナ禍を良いタイミングと捉えての発言かと思います。

キャリア形成という聞こえの良い表現を使っていますが、この場合、実際には「退職」です。時には「退職勧奨(会社が退職を勧める)」。

45歳はまだまだこれからの働き盛りかと思います。また長期雇用で長期的に育ててきた「自社の仕事に特化した人材」を手放す意味が分かりません。

反面、45歳で昇進昇格の先も見えて労働意欲・学習意欲が減退している人もいるかもしれません。これを嫌っているのかもしれません。大企業では会社にフリーライドしている人が多いのでしょうか?中小企業ではそのような人は目立ちますし、養う余裕は無いので早めに対処することになっていますが。

ひょっとすると企業が欲しい人財だけ45歳を超えても自社で働いてほしい、のが本音かと思います。

成長産業への移動については魅力的であれば、転職すると思います。人が足りない気持ちがそう言わせているのでしょうか。停滞産業でも消えてなくなればいいわけでもありません。人の役に立っているからこそ、その産業、会社が存在しているという意味では、その会社から人材を移動させること自体が「社会」にとって良いか考えてみてほしいところです。

また45歳以上で以前と同様の待遇で転職できる可能性は低いのが日本の現状です。となれば、提言している会社がお手本を示して採用してほしいと思います。

他、会社が求める能力が足りないから欲しくないと思われている人は45歳からどうなるのでしょうか。企業は辞めた後は関知せずですか。

人事評価制度を扱うようになって数年たち、今、人事評価制度を作成しているのかで感じるのは「従業員を評価する機能・能力を持っている会社が少ない」であり、書籍や話によると大企業でも同様のようです。

そのような状況であれば、人を見て、要不要を判断などできるはずがないのですが、どうでしょうか。また、必要な能力が分かれば教育し続けることが求められますが、教育できているのかどうか。

で、社長も45歳定年ですよね?
色々理由を付けて同じ会社には戻ってこないのですね?それとも自身は別でしょうか。
すると45歳以上の元社長は転身し、他社のサラリーマン社長(雇われ)が大半になると予想されます。

一方で早期退職制度で大量の退職者を出している大企業の話もあります。

早期退職制度をリストラではない、という人が居ますが、わたしはリストラ(リストラクチャリング:再構築)だと思います。

退職する自由は職業選択の自由と合わせて当然必要ですし、現在日本では従業員の意思でいつでも退職できます。ただ法律によって会社は従業員を60歳まで雇用の継続を求められています。

それに対してある企業は自主的に早期退職するならば、既定の退職金額プラスアルファの金額を上乗せします、と退職を勧奨しているわけです。人員削減を目的とした会社の都合でしょう?

どうやら残ってほしい優秀人財も退職されたようで、それは会社側が従業員から見限られたということです。

45歳定年にせよ、早期退職制度にせよ、もともと会社と労働者個人の約束で契約し、60歳まで働き続けるつもりで人生設計していた人にたいして、会社が約束を破るわけですから、会社への信頼は無くなります。

一部の人は「本人の意思や合意に基づいて変更するのだから約束を破っていない」と反論するでしょうが、不利益変更を合意させる「何か」があるわけで、それが労使平等と言いつつ主従関係がある会社組織の中で言えるのは権力の有る側だけでしょう。と同時に、従業員が会社に対して信頼を失うのは理屈ではない点も抑えておくべきです。

組織とは人一人が出来ないことを、集団となることで、出来るようにするからこそ意味があります。1+1が2以上になるのを期待している効率や効果を考えた時に、組織に所属し、お互いを信じて協力し合う大前提が根源にあると思いますが…。

組織に頼らない個人であれば、いつでも辞める人同士で働くドライな関係で、そこに愛社精神は期待されず存在せず、相手を想って育てることも無意識に感じられるし、同僚がミスをしても最近酷い使われようになった「自己責任」で片づけられてしまうのではないか。

早期退職制度で退職勧奨する手法は欲しい人と要らない人を判別しているわけですが、世の中の流れに合わせながら経営すれは、10年後に欲しい人財とそうでない人材の設定は異なるはずです。つまり将来、自分が肩たたきされる可能性は、かなりある、と感じてしまったとき、会社は安心できる環境ではなくなります。

45歳定年と分かっていれば、40歳時点で10年後の会社は自分と関係がないと考えられますので、そもそも愛社精神が無ければ10年後を見越した仕事や提案はなくなると覚悟することでしょう。1年以内に成果が出るような小さな案件を積み重ねる従業員となり、会社自体も「小さくまとまる」発展性の低い、今さえ良ければよい姿勢から小さい波で転覆する船のようになる気がしますがどうでしょうか。

このような流れに行きそうな仕組みと予測しています。これらを無視して「最近の日本人は他者に無関心だ」「人格形成がなっていない」と言うのは近視眼的と言えるのではないか。

事業が上手くいかない状況があり、口減らしをしている。短期的には人件費削減により利益は残るかもしれませんが、発展性を捨てているように思います。解決策は事業が好調となるように経営することであり、これは経営者の責任だと思います。極論、事業が上手くいけば経営者側の手柄で、悪化すれば従業員のせいにする、の典型に見えてしまうのですがどうなのでしょうか。すべてコロナ禍のせいでしょうか。

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2021年10月04日

10月の税・労務の手続(主要)[提出先・納付先]


『「いい会社」への成長支援!』の成戸です。
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今回は恒例のカレンダーです。どうぞ。

◎10月の税・労務の手続(主要)[提出先・納付先]

11日
○源泉徴収税額・住民税特別徴収税額の納付[郵便局または銀行]
○雇用保険被保険者資格取得届の提出<前月以降に採用した労働者がいる場合>[公共職業安定所]

11月1日
○個人の道府県民税・市町村民税の納付<第3期分>[郵便局または銀行]
○労働者死傷病報告の提出<休業4日未満、7月〜9月分>[労働基準監督署]
○健保・厚年保険料の納付[郵便局または銀行]
○健康保険印紙受払等報告書の提出[年金事務所]
○労働保険料の納付<延納第2期分>[郵便局または銀行]
○労働保険印紙保険料納付・納付計器使用状況報告書の提出[公共職業安定所]
○外国人雇用状況の届出(雇用保険の被保険者でない場合)<雇入れ・離職の翌月末日>[公共職業安定所]

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