2021年12月27日
本年の感謝
『「いい会社」への成長支援!』の成戸です。
ご愛読ありがとうございます!
◎本年の感謝
今年も拙い私のブログを愛読くださり、ありがとうございました。
皆様のおかげで日記も事務所も10年を超えることができました。
継続は力なり、と言いますが、10年前から比べれば、日記の内容も私自身も皆さんのお役に立つことができるようになった、と言いたいのですが、どうでしょうか。
来年も継続してまいりますので、よろしくお願いします。
挨拶だけでは物足りない方のために、ひと話題。
人の成長において、すべてを経験から得るには時間も機会も足りないのが普通です。
また、我々のような企業の支援者が現場で失敗して「良い経験をした」などとは言えないものです。
基本的に失敗はあり得ない世界では、失敗しないように経験の前にしなければならないことが多くあるわけです。
その一つは、経験による学習以外に、他者の経験を知ることや、研究結果のような再現性のある情報を得て、身につける学習があります。
そこで出来れば質の高い情報を、出来れば早く、出来れば安価に、と考えた時に書籍という選択肢があるわけです。
さて今年、ある会社で、褒賞を決める際に「図書券はどうでしょうか?」と軽くお勧めしたところ、参加していた管理職に「子供じゃないんだし、商品券にしましょうよ」と軽く笑われましたが、どうやら管理職でも読書をしない人は多いようです。
大人になったら読書しない、そんな風潮が、いつからか日本に漂っている不思議を感じます。識字率は高まっているが、読まない人が増えている。
また逆の話題として、困ったことに近年、成人の読解力の低さが指摘されています。
つまり、たとえば上司から口頭で1分程度の指示命令を受けた場合、正確に理解して実行できない、なんてことが往々にして起こる恐れがあるわけです。
すると、物事の連続をみて、その文脈から理解することや、適切な推測も難しいはずです。
本を読めば読解力が高まる、とは言い切れません。読解力を鍛える訓練や工夫が必要な人もいるでしょう。その必要に合わせて身につけ、本が読めるようにすることは非常に大切に思います。
本来はきっと学校で身につけることですが、そんなことを言っている場合ではないのかもしれません。会社で家庭で教えましょう。
一時期、数年にわたって仲間で読書会を行っていました。同じ本を読んで意見・感想を述べる会です。振り返れば、当時に思っていた以上に効果と意味があった、と感じています(今ならインターネット上で出来ますね)。
各人の段階がありますが、感性を磨いたり、有用な情報を得たり、広く物事を見られるようになったりと、豊かに生きるうえでも、読書はいいものだと思います。
たくさん読んでいる、とは言い切れない私ですがお勧めします。
(ここまで読んだ人が読書しないわけがないですね)
今日はこのへんで。今年はこのへんで失礼します。
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成戸克圭「いい会社」研究ホームページ
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岐阜県美濃加茂市の社会保険労務士
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2021年12月20日
誰でも間違った判断をするものです〜評価誤差の話
『「いい会社」への成長支援!』の成戸です。
ご愛読ありがとうございます!
今週も会社経営と人事労務のヒントをお伝えします。
◎誰でも間違った判断をするものです〜評価誤差の話
評価誤差のお話は、もうとっくに日記に書いたものと思っていましたが、自分の記憶の中だけであったようです。まずはじめに、このように人の記憶も曖昧であるということですね。
評価誤差というのは「人事評価において評価者の主観評価や印象評価によって評価結果に誤差が生じることである。」と言われていますが、これから説明する内容は、会社での人事評価に限定する必要はありません。普段の人や物事を見聞きしたり体験した時、これらに自身で意味づける際に間違いを起こす、典型的な例を挙げています。
逆を言えば、これらの誤差(ミス)をしないように物事を評価し判断できるようになれば、原因と結果を正しく見ることができるようになり、判断を間違えることもなく、間違えた時も修正がうまくできるようになると思います。
・ハロー効果
ひとつ優れた点があると、その印象に引きずられてその他の評価も影響を受けてしまうこと。
例えば、偏差値の高い有名大学を卒業しているという点がジワジワと影響して、全く関係ない部分まで高い評価をしてしまうような状態。大学出ているから性格もいい?スポーツもできる?それは関係ないですよね。
私の知り合いの弁護士さんは幽霊の相談も受けたことがあるそうです。「夜な夜な壁から手が出てくるけれどどうしたら良いでしょう?」と…流石に弁護士さんでは分かりません。相談者は弁護士は凄い人だから、何でも解決してくれる、と思ったのでしょうね。
・論理的誤差
似たようなことがあると、関連付けて考えてしまい、事実ではなく推論(論理)で判断してしまうこと。
不良と付き合っているから性格が悪いに決まっているとか、既に犯罪を犯しているはずだ、はおかしいですよね。
論理的誤差の中にハロー効果があると思っていただいてもいいでしょう。
追記すると、もっと困った人は推論に推論を重ねます。1回目の推論自体で正確度合いは低いはずが、2回目の推論で見当違いの結論を下す、とんでもない帰結を語る人が居ます。
例えば事象に全く関係ない第三者が推論に推論を重ね、当事者を無視して勝手に腹を立ててネット上に書き込み炎上させ、訴訟にまで至る例もありますね。
または論理的誤差を理解しつつ火のないところに煙を立て扇情的な記事を書くネット記者が分かりやすいでしょうか。記事が一見正しいように見えるのは推論の中に含まれている理屈が普段使われている馴染みの論理展開であり各所で正しく使われているからです。総論としては実際に間違っているのに、各論では正しいために、すべて正しそうに見える。コロナでもトンデモ情報が錯綜しています。
仮に会社内で意図的にあえて論理的に正しくないが正しいように見せかけ、扇情的言動をする者がいるとすれば、注意して発見・対処しなければなりません。恐ろしいことです。
・寛大化傾向
評価が甘いこと。往々にして、評価者が自分のスキルに自信がない場合に起こる。
時には従業員を大切にしようとしている経営者や上司が陥ることもある。
実際には正確にその人を見て正しく評価することによって、褒めるべき部分、注意し反省してもらい、成長してもらいたい部分を正しく指摘することができます。
現状をすべて褒めて終わらすことなく、成長してもらい本人の幸せにつなげることこそが教育なのではないでしょうか。
優しさの履き違えてはいけません。ただし、本当の優しさが伝わるとは限らない、そんな時もありますが、相手に愛情を持てるとしたら、伝わるように繰り返すことですよね。
・厳格化傾向
寛大化傾向の反対。
評価全体が厳しい状態。組織であれば組織の評価の甘辛の中心「平均的な状態」のようなものを話し合い、評価者全員で目線を合わせる必要があります。
論点はズレますが、最近は厳しい上司が好まれない時代ですね。叱られ慣れていない若者は、厳しい指摘に耐えられません。辞めてしまいます。事実ベースの指摘であっても、何とか語彙柔らかく、ただし正確に説明しなければならない、となると語彙力も必要です。
もちろん「この人に言われたら受け入れられる」という関係を結ぶこともとても大切です。その意味でも評価誤差を無くしましょう。
・中心化傾向
評価が中央に集中してしまう事。厳しい優劣をつけられず、日和見的な評価結果になること。
評価を正しくできる自信が無いため、とりあえず無難な評価にすること。
自信をつけるために評価制度を正しく学び経験を積むことも必要です。
別の視点から、日和見しなければならないような弱い立場、権限しか持っていない、もしくはさらに上の上司の支援を受けられないなど、他の傾向もそうですが、様々な可能性を想定し、確認しなければならないでしょう。
・対比誤差
評価者の得意・不得意分野(考課者自身を基準に評価者と対比)によって評価が甘くなったり辛くなったりする傾向。
自分の得意分野ならは細かく指摘できる。自分が得意ならば「お前まだまだだな」と言える。強気に厳しく評価することができてしまう。反面不得意分野は甘くなってしまう。
そもそも評価者である上司が自分自身と被評価者である部下を比較してはなりません。評価は評価項目に合わせて行うものです。評価項目とは「あるべき姿・ありたい姿」であり、評価する側も評価される側も合意できるような内容であるべきです。
・近接誤差
評価期間中の数カ月前の印象は薄く、最近の印象は薄くなり、最近の様子を中心に評価すること。全体の評価が正しくされていない。
昔、とても素晴らしい言動をした過去があったとして、最近の小さな失敗の方を重視されて「あいつはダメだ」大きく否定されてしまっては、いたたまれないですよね。
少々話はズレますが「昔俺はこの会社に大きな貢献をした。だから今は仕事をそんなにしなくても高い報酬をもらえるんだ(働かなくてもこの会社に居ていいんだ)。」と言う理屈は通じません。大きな貢献をした際の給与と賞与によって、すでに報われています。今は今の働き方によって評価されるべきなのです。
こうして評価誤差一覧を見れば誰でも似たような間違いをしているのではないでしょうか。
全ての誤差においての対策は「事実確認」「原理原則に従う」ことです。
思い込み、感覚に惑わされることなく事実確認をして修正すること。
ルールがあれば、これから逸脱しないようにすることです。
感情であっても「私はこう感じた」は否定することではなく、ただ「相手はどう感じたのか」も合わせなければ、一方的な押し付けになります。非接触型コミュニケーションが増えた現在、思った以上に感情のすれ違いがあると意識した方が良さそうです。
ルールとは言えなくなったものの中に社会一般常識がありますので、ここは気を付けましょう。「普通、こうあるべき」はあなたの中にしか無いようです。相手の「普通」とは違う、その前提で接することでしょう。そうすれば必要以上の怒りや落胆もないと思います。ただ説明し合えばよいことです。
さて、仮に会社で上司や経営者が、これらの評価ミスを繰り返して言うとすると、従業員の能力や人柄や、その想いも理解できないはずです。
つまり、従業員から言わせれば(例えば)「正しく評価してくれていない」「そもそも私を見てくれていない」あたりから「社長・上司が私を信じてくれない」「会社を信じられない」になり、「(給料を支払ってもらうために)言われたことだけ仕事をすればいいや」のように負の連鎖が生まれる可能性があります。
1つのボタンの掛け違いが大きな断絶を生むこともある。
そうならないためにも評価誤差に気を付けましょう。物事を正しく見るには訓練が必要です。お互い、心掛けて生活したいものです。
お役に立ちましたか?今日はこのへんで。
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2021年12月13日
今回のセミナーで本当は言いたかったこと。
『「いい会社」への成長支援!』の成戸です。
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◎今回のセミナーで本当は言いたかったこと。
先日『医療従事者の「働き方改革」を学ぶ』オンラインセミナーで講師を担当しました。
内容は「医師の労働時間短縮計画作成ガイドライン(案)について」と題し、
医師が労働基準法によって定められた時間外労働の上限を超えて働くことを認める特例水準の指定を受けるうえで必要な、計画の作成の仕方を中心にお話しました。
今までの医師は昼も夜も関係なく長時間労働をし過ぎてきたことが問題でした。過労による心身の異常は、医師でも一般企業の従業員と同様に発生しています。医療現場で体調不良になる…本末転倒?皮肉?な感じが凄いですね。
今後、医師の時間外労働の時間は法律によって削減されていきます。
これに対しての、時間外労働削減の間違った方向への対処の一例を挙げると、勤務している医療機関から、必要に応じて地方の医療機関へ派遣される医師の場合、派遣元と派遣先(派遣法とは別の話)の両方の時間を労働時間として合計しなければなりません。
すると、時間外労働の上限を超えないように、派遣先で働く時間を減らす、または派遣を中止するような医療機関が出てくる可能性は否定できません。
すると、地方の医師不足に悩んできた医療機関の存続の危機を迎える恐れがあるわけです。
これらの問題については、行政は未だ、想定していない、と表現されていました。
その他の例としては、時間外を減らすために夕方の診療を無くす、診療日を減らす、などのあってはならない方向へ向かわないよう、計画的に時間外労働を減らしてゆく必要があります。
そこで医師の労働時間短縮計画の策定が求められるわけですが、今回のお話の中核として私がお伝えしたかったのは、医師の問題だからと言って、医師だけでは解決できない問題であり、医療機関全体で、もしくは医療機関を超えて地域レベルで取り組む必要がある問題である、という事です(ここまでしか話していません。時間の関係と、我々の立場上説明する範囲がある程度決められている。立場上の問題もある。)。
実際に病院の会議に出席しての医師や事務局の話を聴くと、医師の理解を得て、医師の意識改革をすれば解決するような話題が頻繁に出ます。実際、当人である医師が努力しないと解決しないのは当然ですが、看護師やその他の職員の皆さんの協力があってこそ、働きやすい環境を整えることができると考えた方が合理的ではないでしょうか。
そこで課題になりそうな点として、指示命令に従うだけの規律性を持った人が医療機関の職員として多いとは思いますが、気持ちの面で受け入れるかどうかは別であります。
面従腹背の言葉があるように、心から思いやりを持った協力関係に対し、義務であるため仕方なしに行動するのを比較すれば、その行動や質は少しずつ異なってゆき、日々の職務の中で積み重なって大きな違い(結果)が生まれるものです。
ある病院の事務長さんも仰っていましたが、情意の違いやその差は、仕事ぶりに大きく影響していると、はっきり認識されているようです。
実際は、この辺りを大切に扱う取り組みが目標を達成するうえで遠いようで近いのではないか、もしくは課題の中核なのではないか、と考えています。
これは医療機関に限らず、他業種でも同じであり「人づくり」と私は表現していますが、仕事を器用にこなせる人を作る前、もしくは同時に「社会人として、職業人として、働く仲間としての心を持った人を育てる」ことを大切にしましょう。
お役に立ちましたか?今日はこのへんで。
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成戸克圭「いい会社」研究ホームページ
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2021年12月06日
『医療従事者の「働き方改革」を学ぶ』オンラインセミナー:講師担当します。
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◎『医療従事者の「働き方改革」を学ぶ』オンラインセミナー
セミナーの紹介です。
『医療従事者の「働き方改革」を学ぶ』オンラインセミナー
開催日時 12月10日㈮ 14:00〜15:30
参加無料 申込必要 8日まで
Zoomでの開催です。自宅や勤務先から見れます。
内容:
1「パワーハラスメント対策について」
2「医師の労働時間短縮計画作成ガイドライン(案)について」
厚生労働省・岐阜県労働局の委託事業を潟^スクールplusがしており、講師の依頼を受けた成戸は2を担当します。
具体的には2024年度から医師の労働時間について働き方改革に従い労働基準法によって時間外労働の削減が求められます。その際、急激な削減は医療現場の混乱を招くとして、段階的に削減が可能となります。
方法として、段階的に削減してほしいと申請した医療機関のみが特例水準と言う名の激変緩和を受けることができるのですが、これには労働時間短縮計画を作成して行政に提出する必要があるわけです。
という事で、医師の労働時間短縮計画の策定内容を知りたい人は見てください。


参照 岐阜県医療勤務環境改善支援センター
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従業員という自覚と個人主義
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◎従業員という自覚と個人主義
5年前くらいからでしょうか、経営者との会話で「人不足」がじわじわと話題に出るようになり、現在は決定的になってきました。
求人募集しても一切応募がない。という話は地方の中小企業ではごく普通の状態となっています。
(ただし「いい会社」と私が思う企業の中には「人は充分に足りている」「多めに配置している」「○月から新たに入社してきます」との話をよく聞くので実際には会社の実力が見える形になっている、と言っても良いとは思います。)
さて、話を戻し、売り手市場の現状では労働者の方の立場が強くなっており、以前にも増して「嫌なら会社を辞めます」という強気の社内交渉を行う労働者も増えているように思います。自身の思い通りに事が運ばないとすぐに嫌気をさしてワガママを言う。退職を切り札に自身の有利に立ち振る舞おうとする姿勢は会社側にとって頭痛の種となっています。
これの遠因として、地方中小企業のよくある課題として「労務管理をしていない」があり、例えば労働契約書を交わすことすらしていない曖昧な採用など、非常に緩くあります。それは雇用する側と雇用される側をハッキリとさせない不明瞭な立ち位置のまま関係が出来ている状態で、これが労使の特に労働者側の労働者としての意識を持たせない原因になっているように感じています。
言い方を変えれば「自分は労働者で、会社の指示命令に従って仕事を行い、一定の成果を上げて事業に貢献し、それによって報酬が発生し受け取れる意識」です。これが希薄な元のひとつに「雇用されている」との認識の薄さがあるのではないか、ということです。
この問題(労働者の自覚)への対応策として、例えば理念を作り浸透させれば会社の方向性に合わせて働いてくれる、と主張する経営支援者、宗派もいると思います。家族経営を大切にして親身に付き合うことで解決しようとする思想家もいるでしょう。
ただ、私が表現するとすれば「働いて幸せになる」という表現になり、会社で働くとは組織で働くことであり、個人は組織に合わせることです。組織で働いて幸せになることを考えてみましょう。
個人は基本的に外部からの要請が無ければ自分勝手に自由に行動するものであり、この行動をある程度制限して集団行動することで組織として機能し、また集団行動の強みが発揮されることを理解しなければなりません。
会社組織と言う集団は、株式会社ならば特に利益を追求し、その利益を関係者に分配する目的があります。目的達成するための役割分担が行われ、労働者も、雇用され、その役割の達成を求められます。
働きやすい労働環境は、役割を果たすうえで良い環境であり、効果的であると言えます。労働すべてを幸せに出来る、と言い切れるほど甘くはない現実の中、皆で力を合わせて頑張れる環境が働きやすい環境と言い換えることもできるのではないでしょうか。
これは労働者一個人の都合では成立しません。お互いに支え合う、つまり譲り合う場面もあるのです。とても大事なところですね。
(これも会社側ばかりが譲れと強要すれば、退職することもある、とクギをさしておきます。ただただ「頑張れますか?」と社長が従業員に迫るのも変なことで、働きやすくする工夫を考えるべきでしょう。)
これも一例ですが、労働者が難しく貴重な資格を取得して、希少性から企業が厚遇することもあるでしょうが、それによって人と人の支え合いから免除されるわけではありません。
むしろ、そのような貴重な人物には率先垂範してリーダーシップを発揮し、良い環境を構築していただきたいと思います。
個人の能力で出来ることは限られます。近年の個人主義、自己責任論の行き過ぎから反転して、従業員であり仲間と働いている意味を考え直す機会を社内で持つのも良いかもしれません。
お役に立ちましたか?今日はこのへんで。
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