2018年03月19日

内定取り消しと始期付解約権留保付労働契約


「働く喜びに満ちた会社」に育てる! の成戸です。

本日もご愛読ありがとうございます!

もうすぐ新卒者が会社に入社してくる時期ですね。

最近は人手不足で、売り手市場の状況が続いています。

だからといってどんな人でも欲しいわけではありませんし、様々な事情で内定取り消しを行わなければならない場合もあります。

学校の卒業予定者など新卒者の企業への内定は、新卒者と会社が意思確認を行い、内定の労働契約書を交わした時点から実際に働き始めるまでの間があります。

特に学生が卒業できない場合や、就業に必要な資格の取得ができなかった場合など、やむを得ない事情があった場合に内定の取り消しが行われることがあります。

過去に内定取り消しについて裁判が行われた例があり、これを始期付解約権留保付労働契約という表現でその考え方が確立されています。

働き始めの「始期」が付いていて
その始期までに解約権が差し控えられている(内定取り消しを使うことができる)労働契約です。

もちろん内定取り消しをするには
「採用内定の取り消し事由は、採用内定当時知ることができず、また知ることが期待できないような事実であって、これを理由として取り消すことが解約権留保の趣旨、目的に照らして、客観的に合理的で社会通念上相当として是認できるものに限られる(大日本印刷事件 最高裁二小 昭54.7.20判決)」

として、いつもお決まりの「客観的に合理的で社会通念上相当として是認できるもの」でないと取り消すことができないとされています。どの程度ならばよいのかは判例をいくつか読んで感覚を得るべきかと思います。


国の方は内定取り消しの乱発を防ぐ対策として職業安定法施行規則の改正(平成21年)を行い、採用内定取消の防止のため企業に対して下記の取組みを求め、内定取り消しの頻発している企業は公表できるとしています。

・新規学卒者に対して内定取消しを行う場合、所轄のハローワークの所長または学校長等へ通知すること。

・上記の通知内容は内定取消者数、内定取消を行わなければならない理由、内定取消の回避のために行われた事項、対象学生等への説明状況、対象学生への支援の内容等であり、所定の様式によって行うこと。

・厚生労働大臣は、内定取消しを行った企業名を公表することができること(2年度以上連続して行われた場合や同一年度内において10名以上の者に対して行われた場合等)。

上記・の2つ目に内定取り消しの報告書面について「所定の様式」で行うように指示されています。下記参照に書式をダウンロードできる岐阜県労働局のホームページアドレスを載せておきます。

積極的に内定取り消しを勧めるわけではありませんよ。ただ、事情があり、どうしても、という事態になった時は手順に則って手続きを行う方が良いでしょう。


さて、最近、学校訪問する機会があったため、内定取り消しと働き始めた後の1年以内程度に解雇した場合に企業が学校に報告する件数を軽く聞いてみました。

内定取り消しは報告があるようです。解雇の報告は少ないようですね。


3月も終わりに近づいてこの内容を書いている時点で内定取り消しについて悩まれた方には少々遅いとは思いますが、日記として身近にある内容を記述しておきました。

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参照
岐阜県労働局 ホームページ書式集
http://gifu-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/hourei_seido_tetsuzuki/hourei_youshikishu/yousikisyu.html

厚生労働省 内定取り消しの対応について
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/01/h0119-2.html
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成戸克圭「いい会社」研究ホームページ
http://gifusr.jp/laboratory/

事務所
岐阜県美濃加茂市の社会保険労務士
「なると社会保険労務士事務所」のホームページ
http://www.gifusr.jp/

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posted by なると at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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