2019年10月14日

株式会社ラグーナ出版様 「いい会社」見学レポート


『「いい会社」への成長支援!』の成戸です。

ご愛読ありがとうございます!

◎株式会社ラグーナ出版様 「いい会社」見学レポート
訪問日:2019年9月9日

 鹿児島県鹿児島市にある「〜心の健康を届ける〜株式会社ラグーナ出版」様へ訪問しました。
 以前から名前を存じ上げており、シナプスの笑いという冊子も耳目に触れているほど私の中では有名な会社でした。従業員数35名中、健常者は社長を含め4名であり、31名は何らかの障害を持った従業員で構成されています。業務は本のデザインから構成、製本、出版までをこなしており、例えば1冊だけの個人向け誕生日の本など、小ロットで、時には手作りの温かみのある本づくり、という出版会社の中でもニッチな分野で仕事をされています。
 見学会参加者の一人も言っていましたが、モットー「あせらず、ゆっくり、確実に、健康に」は語呂としては変ですが、最後に健康を付けることで前の3つを含め、大きく意味が変わってきます。そして最後に健康とつけることによって、健康が最も大切であることを伝えてくれています。
川畑善博代表取締役はラグーナ出版を作る前は介護関係の仕事をされていたとのことで、介護の視点から従業員を見守る形で接している点が特徴的であると思われます。朝の健康状態の確認やこまめな声かけ、傾聴を大切にされており、これによって障がい者が安心して働けている意味でも、体調に良い影響を与えていると思われ、多少の手間暇がかかってもこのように従業員を大切にしている行為と気持ちが伝われば、心身ともに安心して仕事に打ち込めることになりますし、仕事の質にも良い影響を与えるのではないかと推測します。このような接し方は健常者の従業員ばかりの会社であっても大切であると考えます。働き方改革と言われている昨今ですが、このような基本があってこそ出来ることなのでしょう。
 会社用Facebookページがあり拝見していましたが、言葉遣いが美しく丁寧で、それでいて面白い内容を従業員が書いておられます。言葉を丁寧にあつかう事は出版社として当然なのかもしれませんが、会社内の言葉遣いも文化であり仕事の質にも影響する大切な要因であるため、普段からの会話の丁寧さをうかがえました。
 本の制作作業現場を拝見しました。紙に穴をあけ、糸を通し綴る様子を見た後に糸つづりの本は開きやすく平らになることなどの利点を教えていただきました。これを手作業をされており、質問すると300冊程度であれば1週間程度で出来るとのことで、以前訪問したことのある方が言うにはスピードが上がっているそうで、ここでも障がい者であっても仕事での成長は普通にあることとして、何年か後を想像するとその人の成長の可能性が広がります。森越まや会長からは「職人を育ててほしい」と言われているそうで、長い時間を掛けて一つの仕事に秀でることが障害を持った人にもできる、片手間では健常者でも追いつけないくらいの腕をもつことが出来ると信じておられ、可能性を現実にしようと現場では皆が頑張っている様子を見ることが出来ました。
 川畑社長からお話を聞きました。
 お話の中で従業員の感情について「会社に対してよい感情、悪い感情、両方あるんでしょうね」と落ち着いてお話され、言外に「そうゆう事もあるよね」「あせらず、しかし気にしながらなんとかしていきたい」という感覚を受けました。現在社内は穏やかな状態と話され、自社の良いところとして「いじめがない」「愛情ある無関心」と表現されました。細かいことに気を使い過ぎることなく、お互いに節度を保って、自由にできる範囲を確保しつつ、相手を信頼している状態、でしょうか。人間関係として理想的ですね。なんだか生き辛い世の中の雰囲気の逆をいくように社内は心理的安全性を担保できる組織となっているようです。無関心と言いつつ社長は従業員全員の趣味や生い立ちを知っているそうで、これを踏まえて個人個人の業務配置を考え、時にはチャレンジしてもらうタイミングや仕事内容を考えているそうです。
 社長が管理職に対して「君らの仕事は見守ること。教えること。任せることだよ。」と伝えている、とサラリとおっしゃって私は感動して鳥肌が立ちました。任せたことを高く評価するそうで、「そうすることによって本人も部下も成長できる」とし、他社では分かっていながらできない状態を実行されていることに感動しました。また、仕事中は仕事の流れを教える時間がないため、時間外に勉強会を各自自主的に行っているそうです。
 他社での障がい者雇用への助言として「二人同時に雇用すること、同性が良い」とし、その他「初めて雇用すると受け入れる社風と異物として排除する社風、元々持っている社風が分かる」として、「排除する社風と分かったならば良くするために話し合えばいい」と前向きな実務家としての意見を聞くことが出来ました。社長が仰るように出来なければ出来るようにすればいいのです。出来るようになるまで続けられるかどうかにかかっており、この姿勢があればいつかは障がい者雇用が会社に当然のこととして根付くのではないでしょうか。
 健常者を雇用する基準として「この会社にいる間、力を貸してくれ」と伝え「成長を喜びと出来るかどうか」とされていました。ここでも成長への期待と成長への喜びがキーワードになっています。当然ながら障がい者には何らかのハンデがあり、成長がゆっくりの場合があります。これに待てるかどうか、信じられるかどうかが重要であり、社長の実感として遅くなっても成長は確実にあるとの確信に近い部分があるのでしょう。
 以前はお金の面で苦労していたが、最近は苦労していないとのことで経営が安定しているようですが、今後の経営についてお話を聞くと、特に川畑社長が引退された後の構想として連合組合にする考えがあるようです。「一社で儲かったかどうかを考えたくない」との広い視野での考え方と、数社で組めばそれぞれに経営の好不況の波を均して経営が安定するとの意味があるのでしょう。今後の動向も気になるお話でした。
 最後に「雇用と密接にかかわるのが教育であり」社長は「働く原点を学ぶ」重要性を語られました。こちらの方が伝えづらいが、伝えることが出来れば働けるようになる、として他社での技術を教え評価する世の中の傾向とは違い、働くことへの熱意の伝達に力を入れているようでした。そして最後に「こっちが教えてもらっている」と「働くことで光(希望)を求める姿に感動し、学んでいる」と社長の方が従業員に感謝しているお話で締めくくられました。とても穏やかで易しい言葉を使いつつ私たちに教えてくださり、素晴らしい人格者であると感じました。お会いできて本当に良かったです。
最後になりますが、お話を聞かせていただいたサービス管理責任者の馬頭様、編集部の内様、出版事業部部長の鈴木様、従業員の皆様、ありがとうございました。
ラグーナ出版集合写真.jpg
左から3人目が川畑社長。

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成戸克圭「いい会社」研究ホームページ
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「なると社会保険労務士事務所」のホームページ
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posted by なると at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | なると社会保険労務士
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