2019年11月04日

従業員の要求を全部聞いていたら業績が落ち込んだ話


『「いい会社」への成長支援!』の成戸です。

ご愛読ありがとうございます!

◎従業員の要求を全部聞いていたら業績が落ち込んだ話

「従業員の要求を全部聞いていたら生産性が大きく落ち込んだ。」

先週、或る会社へ訪問し、社長のお話を聞きました。

会社の特徴として、従業員数5名。年間休日130日、残業をゼロにする取り組みをしており、従業員の給与も世間相場より少し多いくらい。もちろん経営は黒字。商品の利益率が高く、様々な商品開発を従業員が行っており、今後も更に良くなっていく予感を感じさせる会社です。そんな現状を見て感心していたら、冒頭のようなお話がありました。

冒頭の発言は個人で始めた仕事が順調に大きくなり、パートタイマー6名を雇用して事業拡大をしていた頃の話。

社長は岐阜県では有名な企業である未来工業を尊敬されており、未来工業を真似て従業員を大切にする取り組みを行ったそうです。従業員の要望をすべて聞き入れるようにしていったとのこと。

「最終的には賃上げとしてパートタイマーで想定される給料以上の額を要求してきた」「旅行にも連れて行ってほしい、とのことで、従業員の子供も含め全額会社負担で旅行へ行った。更に旅行中の時間も労働時間と同じように給料を払った」

など、過剰な要求となっていったそうで、社長としては「どこまでエスカレートするんだろう?」と半ば呆れと実験を含めて応じていたそうです。

そして要望が過剰になるにつれて、一般労働者では考えられない要求となり、最後には不満が見つからないため「不満を探す」粗探しばかりをするようになり、生産性が大きく落ち込み、悪影響を及ぼす限界になった時に、経営者として「間違っていた」として一旦パートタイマー全員の解雇に踏み切ることになったそうです。

普通の会社では、かなり前の段階で資金不足を原因としてストップをかけるものと考えられますが、当企業は資金に余裕があったために、かなり深みに踏み込んでしまったようです。

様々な企業を渡り歩いてきた人であれば「こんな高優遇は他社には絶対ない。こんなに有難いことなない!」と感謝して一生懸命に働くことはあるかもしれません。他社を知らなければ「当たり前」となるのでしょう。前者でも数年たてば普通のこととなり、特に感激も感謝も無くなっていきます。

会社として求める仕事の質や量を明らかにして、更に従業員の成長を求める姿勢を見せない限り、仕事に手を抜く従業員が現れても仕方はありません。

この優しい社長であれば従業員に無理な労働をさせることはないので誰も辞めることはしないでしょうから、とにかく在職し続けると思います。こうして仕事をしないのに会社にしがみつく従業員を会社が生み出してしまうのではないでしょうか。これではだれも幸せになれません。良かれと思ったことが仇になるわけです。

未来工業の創業者である(故)山田昭男氏は多くの書籍の中で「日本人は国民性として、きちんと報酬を与えれば手を抜かずに真面目に仕事をするものだ」といった旨のお話が書かれています。がしかし、現代には通用しないかもしれません。山田氏が想定していた日本人は家庭や学校できちんと道徳や人生訓、生きるうえでの哲学を身に染みるまで教えられた昔の日本人像だったのではないか、と思います。

もしくは、山田氏の裏方で会社を支えられた方々が様々な場面で雇用と労働現場の修正をしていた可能性はかなり高いため、一人の経営者の表面上の言葉を鵜吞みにしてはならないと考えています。

ついでに聞きかじりのデータを挙げますと、給与が年収750〜800万円を超えると、働く気力や幸福感には影響しなくなるそうです。

ではどのように従業員の労働意欲を引き出せばよいのか?と聞かれることもありますが、むしろ「なぜお金しか意欲を引き出す手段がないと考えているのですか?」と聞きたくなります。転職斡旋企業がお金を尺度にしている弊害はあるように思います。在職している会社と他社の比較において給与だけ高ければ良いわけではありません。

逆に大企業から中小企業に転職して給与は下がっても良しとして働く人も多くいます。ある程度の生活が出来る給与額で・安心できる職場で・望んだ仕事が出来る、そんな状態を提供できるといいですね。

その意味で会社側からの従業員への支援と従業員が会社へ貢献する二つのバランス「支援と貢献のバランス」はちょうど釣り合うあたりが望ましい。ただその定義と量と質から理解してバランスをとるのは、詳しい人の知恵を借りない限り冒頭の社長のように難しいのかもしれません。

ついでに。お金があれば何でもできる、給与額が労働者の評価のすべてだという風潮も良くありません。仮に年収1000万円の仕事であれば、それなりの能力とハードワークが求められるのは労働市場として当然です。そのハードワークに合意して何を捨てるのでしょうか。人それぞれに人生に何を求めるか?によって働く場が決まる、変わることはあると思います。

お役に立ちましたか?今日はこのへんで。
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成戸克圭「いい会社」研究ホームページ
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事務所
岐阜県美濃加茂市の社会保険労務士
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posted by なると at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | なると社会保険労務士
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