2019年12月02日

オムロン京都太陽株式会社様 「いい会社」見学レポート 

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『「いい会社」への成長支援!』の成戸です。

ご愛読ありがとうございます!

◎オムロン京都太陽株式会社様 「いい会社」見学レポート 

訪問日:令和元年11月19日㈫

11月19日に京都にあるオムロン京都太陽株式会社様へ訪問しました。
先の9月に大分県別府市にある社会福祉法人太陽の家様へ訪問しており、その共通点と相違点について興味をもって見学しました。
当社はソケットやセンサ、電源機器が主力商品であり、2019年4月1日現在従業員数65名の中に障がい者38名、健常者27名が工場で働いています。就労継続支援A型とB型の形をとっています。
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 先に会社説明としてオムロン創業者である立石一真氏が太陽の家の創業者である中村裕氏の障がい者の社会参加への想いに共感し、日本初の福祉工場を設立したとのことで、理念「企業は社会の公器である」のもと、企業の社会的責任についての理解と姿勢が設立当初の1972年から日本の最先端となっていたことがうかがえます。オムロンに勤める従業員の皆さんは、きっとオムロン京都太陽を一度は見学または参加することになっているのであろうと想像するに、同僚や同僚の家族を当然のように大切にする利他的精神をもった従業員が採用され、または精神が培われる環境にあると思われます。
 また創業初年度から黒字化しています。ただの社会貢献ではなく、会社の戦力としての立場となる大切さについてお話がありました。「会社全体が黒字であった場合、障がい者の仕事が赤字であっても支えようと考える人もいるが、会社全体が赤字になった時、きっと障がい者雇用自体について見直す声が社内から出てくる可能性がある。そうならないためにも京都太陽単体で黒字化する意味がある。」とのことで、雇用と組織自体の存続を考えて中長期的な視点から、スタート時点から努力された様子がうかがえます。また会社の歴史を紹介する動画にもありました「とにかく税金が払いたかった」という障がい者の声を聴くと、働くことの喜びと社会の一員としての自己表現は「働く場」と「継続」があってこそであり、やはり労働と経営の黒字化は一体となるべきであると再確認しました。

 工場内の見学をしました。工場なので音が大きいため、トランシーバーでの案内者の声をイヤホンで聞きながら見て回りました。
コンベアー方式で部品への取り付けが済んだら次の従業員さんへと流れる仕組みではありますが、全自動ではなく、或る一部で仕事が溜まるわけでもなく、その人のペースで仕事が回ってくるように見受けられました。ある程度の時間測定と調整をされているように思います。従業員の皆さんは会社見学者に慣れている様子で、我々を意識せずに仕事をされていました。右手が動く人、左手が動く人、足が動く人と様々な状態に合わせて、治具が整えてあり、従業員は動きに淀みなく、コツコツと、しかしなかなかの早さで仕事をされています。ただし速度や量において100%完璧を目指すような無理をさせる様子も無く、少し余裕をもった環境になっているように感じられ、完璧というより最適を探り、見つけているような印象です。
通路では色付きのビニールテープやシールで動線(導線)が示してあり、向上ではお馴染みの通路やモノ置き場の区分けがされています。ただし、一本線で引かれるのではなく、車いすの方が動くとテープがはがれやすいとのことで、剥がれても良いように点線にしてあり、また容易に区分けを変更させることが出来ます。エレベーターから建物の階ごとに色が分けてあり、知的障がい者であっても1回からの荷物の配送が自分で出来るようになっています。
 その他、多くの部品を一人で扱うときは部品ごとに分けてある棚にランプが点けてあり、必要な部品の箇所が光る工夫、間違ったところに手を入れるとブザーが鳴る工夫、個数を数えると時間がかかり、間違いが起こりやすくなるため、重さを測ることで替える工夫、従業員ごとに車いすや、その他の人が座って仕事がしやすいように、テーブルの方の高さを調整する工夫などがありました。目印、光、音、形などの工夫や障がい者一人一人の状態によって工程数や改善箇所を合わせ、様々に手が加えてあり「仕事に人が合わせる」のではなく「人に仕事を合わせる」ことで誰もが快適に働ける環境を整えています。
 これらは専用の治具を購入しているわけでは無く、自分たちで治具を作成しているそうで、工作室があり、障がい者自らが作成することが出来ます。私は手作りの道具を見て子供のころの工作とモノづくりの楽しさを思い出しました。夢中になって楽しみながら作っているような印象を受けました。
工場内の見学後、個々人に合わせた工夫が京都の方が多いように感じたことを担当者で人事総務課課長の富安氏にお伝えしたところ「大分の方が一律での自動化を進めており、こちらは個人に合わせる工夫をしている」「従業員採用においてもモノづくりが好きな人をさいようする」とのことで、新しい治具を作るうえで試行錯誤が付きものなので、チャレンジと失敗を許容する懐の広さがあり、これがオムロン京都流のモノづくり風土が違いを生んでいるように感じられます。また、新製品や新技術を生み出せる基礎・土台としての裾野が大きく広がっているように感じられ、さらにはこれらの工夫を公開して多くの見学者が集まり、多くの方々との縁が出来ていく中で新たな支援者や多くの理解者が増えていく形も、意図されているか分かりませんが結果的にプラスに働いているように考えられます。。

 障がい者であっても成長を当然に求めており、知識と技能について等級ランク付けがありました。つまり評価と成長段階を明示し、自身の客観的な状況の把握をもって成長を促す工夫を見ることが出来ました。更に障がい者を支援する健常者の従業員の志の高さに助けられているとしつつ、更に高い支援技能・知識の習得を目指してもらう形で支援者へのモチベーションの維持を図っているとのことでした。
 オムロン京都太陽では今まで身体障がい者を中心に雇用されてきましたが、近年は精神障がいや知的障がい者が多くなってきているため採用もするようになったが、まだまだ始めたばかりであり大分の太陽の家さんに相談をしている最中とのことでした。これも新たなチャレンジであり、また新たな工夫が増えていくように思われます。採用に関し「医師の診断による障害の程度と、企業の雇用しやすさは別」との言葉も新たな気づきでした。
 
 最後に、人を大切にし安心して働ける労働環境による組織感情の安定と「常に考える」学習する組織、常に黒字であろうとする努力とその結果を見ることが出来ました。富安氏から「我々の方が鍛えられるシャワーを浴びている感じ。」「これが出来ればどんな人とも上手く接することが出来ると思う。」と表現され支援者側が仲間として自身の成長を感謝している様子から、今後も人を大切にする姿勢が人を活かす智慧に繋がり、幸循環が会社を継続させていく原動力として機能し続けるように思いますし、そう願います。
 今回は、見学をさせていただき、ありがとうございました。

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posted by なると at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | なると社会保険労務士
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