2021年06月28日

労災の認定基準の見直しが検討されています


『「いい会社」への成長支援!』の成戸です。
ご愛読ありがとうございます!
今週も会社経営と人事労務のヒントをお伝えします。

◎労災の認定基準の見直しが検討されています

労働者が長時間労働による過労が原因で死亡または疾病にかかった場合、労働者災害補償保険(労災)による補償をされることとなっています。

この労災認定において認定基準のひとつに時間外労働時間があり「発症前1ヵ月間に100時間」あるいは「発症前2〜6ヵ月間平均で80時間」という、いわゆる過労死ラインがあります。

しかし、実際の現場では、80時間を超えなくとも過労死・疾病を発症する人はいます。つまり労災を判断する際に過労死ラインは原因の中のひとつであると考えるべきですが、労働基準監督署が基準を硬直的に適用する
例があり、弁護士の団体などが見直しを求めている現状があります。

過労死認定基準の脳・心臓疾患に係る認定基準は、現在は平成13年12 月に改正された認定基準(以下「現行認定基準」という。)により業務起因性の判断が行われています。

現行基準の設定から20年以上経過したこともあり、厚生労働省の脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会労災認定の評価法を見直す報告書案を示しました。

第12回「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19408.html


かなりの長文で、医学的知見の内容のため、興味のある人だけ読んでみては、というものです。
私もざっくりと目を通してみました。

第 11 回検討会の議論の概要にある、ちょっと気になる文章として

ほとんどの疫学調査、特に観察で追跡する疫学調査は、ある時点での労働時間を聞いて、その後、5年、10 年、長いもので 20 年ぐらいの間で起こる循環器疾患の発症確率をみており、6か月毎とか1か月毎で労働時間を詳細に繰り返し評価し、その後の循環器疾患の発症、死亡を評価したという研究は皆無なので、そこは疫学調査の限界である。


治療による改善という研究はあるが、疲労蓄積の解消でもって血管病変が良くなったというのは非常に少ないのではないかと思う。

※注意:医療による治療での回復はあります。


これを読む限り、過労死に近いほどの疲労蓄積があったときに、休んだら治るわけではない可能性があるようです。

蓄積の結果、限界を超えた時に心不全や脳血管疾患が発生するのであり、限界を超えなければ大丈夫であるというのは間違いで、病気で倒れなくても当然、身体にダメージが蓄積されているのは間違いがなく、しかも休んで治らないとすると、怖いと感じます。

過重労働がいかに危険であるか、もう少し認識を改めなければならないな、と感じます。

「休んだら、また元気に働いてくれ」で通じない、人生を悪い方向へと変えてしまう危険について経営者も労働者も、もっと学んでおくべきです。

お役に立ちましたか?今日はこのへんで。
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成戸克圭「いい会社」研究ホームページ
http://gifusr.jp/laboratory/

事務所
岐阜県美濃加茂市の社会保険労務士
「なると社会保険労務士事務所」のホームページ
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本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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posted by なると at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | なると社会保険労務士
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