2021年10月11日

45歳定年・早期退職制度


『「いい会社」への成長支援!』の成戸です。
ご愛読ありがとうございます!
今週も会社経営と人事労務のヒントをお伝えします。

◎45歳定年・早期退職制度

45歳定年が話題となっています。
どこでどう学んだらこのような発想となるのでしょうか。
分からないことが多いので疑問を挙げていきます。

「成長産業への人材の積極的な移動、企業の新陳代謝活性化、個人が企業に頼らない仕組みが必要」と大企業経営者、経済界の発言がありました。

コロナ禍を良いタイミングと捉えての発言かと思います。

キャリア形成という聞こえの良い表現を使っていますが、この場合、実際には「退職」です。時には「退職勧奨(会社が退職を勧める)」。

45歳はまだまだこれからの働き盛りかと思います。また長期雇用で長期的に育ててきた「自社の仕事に特化した人材」を手放す意味が分かりません。

反面、45歳で昇進昇格の先も見えて労働意欲・学習意欲が減退している人もいるかもしれません。これを嫌っているのかもしれません。大企業では会社にフリーライドしている人が多いのでしょうか?中小企業ではそのような人は目立ちますし、養う余裕は無いので早めに対処することになっていますが。

ひょっとすると企業が欲しい人財だけ45歳を超えても自社で働いてほしい、のが本音かと思います。

成長産業への移動については魅力的であれば、転職すると思います。人が足りない気持ちがそう言わせているのでしょうか。停滞産業でも消えてなくなればいいわけでもありません。人の役に立っているからこそ、その産業、会社が存在しているという意味では、その会社から人材を移動させること自体が「社会」にとって良いか考えてみてほしいところです。

また45歳以上で以前と同様の待遇で転職できる可能性は低いのが日本の現状です。となれば、提言している会社がお手本を示して採用してほしいと思います。

他、会社が求める能力が足りないから欲しくないと思われている人は45歳からどうなるのでしょうか。企業は辞めた後は関知せずですか。

人事評価制度を扱うようになって数年たち、今、人事評価制度を作成しているのかで感じるのは「従業員を評価する機能・能力を持っている会社が少ない」であり、書籍や話によると大企業でも同様のようです。

そのような状況であれば、人を見て、要不要を判断などできるはずがないのですが、どうでしょうか。また、必要な能力が分かれば教育し続けることが求められますが、教育できているのかどうか。

で、社長も45歳定年ですよね?
色々理由を付けて同じ会社には戻ってこないのですね?それとも自身は別でしょうか。
すると45歳以上の元社長は転身し、他社のサラリーマン社長(雇われ)が大半になると予想されます。

一方で早期退職制度で大量の退職者を出している大企業の話もあります。

早期退職制度をリストラではない、という人が居ますが、わたしはリストラ(リストラクチャリング:再構築)だと思います。

退職する自由は職業選択の自由と合わせて当然必要ですし、現在日本では従業員の意思でいつでも退職できます。ただ法律によって会社は従業員を60歳まで雇用の継続を求められています。

それに対してある企業は自主的に早期退職するならば、既定の退職金額プラスアルファの金額を上乗せします、と退職を勧奨しているわけです。人員削減を目的とした会社の都合でしょう?

どうやら残ってほしい優秀人財も退職されたようで、それは会社側が従業員から見限られたということです。

45歳定年にせよ、早期退職制度にせよ、もともと会社と労働者個人の約束で契約し、60歳まで働き続けるつもりで人生設計していた人にたいして、会社が約束を破るわけですから、会社への信頼は無くなります。

一部の人は「本人の意思や合意に基づいて変更するのだから約束を破っていない」と反論するでしょうが、不利益変更を合意させる「何か」があるわけで、それが労使平等と言いつつ主従関係がある会社組織の中で言えるのは権力の有る側だけでしょう。と同時に、従業員が会社に対して信頼を失うのは理屈ではない点も抑えておくべきです。

組織とは人一人が出来ないことを、集団となることで、出来るようにするからこそ意味があります。1+1が2以上になるのを期待している効率や効果を考えた時に、組織に所属し、お互いを信じて協力し合う大前提が根源にあると思いますが…。

組織に頼らない個人であれば、いつでも辞める人同士で働くドライな関係で、そこに愛社精神は期待されず存在せず、相手を想って育てることも無意識に感じられるし、同僚がミスをしても最近酷い使われようになった「自己責任」で片づけられてしまうのではないか。

早期退職制度で退職勧奨する手法は欲しい人と要らない人を判別しているわけですが、世の中の流れに合わせながら経営すれは、10年後に欲しい人財とそうでない人材の設定は異なるはずです。つまり将来、自分が肩たたきされる可能性は、かなりある、と感じてしまったとき、会社は安心できる環境ではなくなります。

45歳定年と分かっていれば、40歳時点で10年後の会社は自分と関係がないと考えられますので、そもそも愛社精神が無ければ10年後を見越した仕事や提案はなくなると覚悟することでしょう。1年以内に成果が出るような小さな案件を積み重ねる従業員となり、会社自体も「小さくまとまる」発展性の低い、今さえ良ければよい姿勢から小さい波で転覆する船のようになる気がしますがどうでしょうか。

このような流れに行きそうな仕組みと予測しています。これらを無視して「最近の日本人は他者に無関心だ」「人格形成がなっていない」と言うのは近視眼的と言えるのではないか。

事業が上手くいかない状況があり、口減らしをしている。短期的には人件費削減により利益は残るかもしれませんが、発展性を捨てているように思います。解決策は事業が好調となるように経営することであり、これは経営者の責任だと思います。極論、事業が上手くいけば経営者側の手柄で、悪化すれば従業員のせいにする、の典型に見えてしまうのですがどうなのでしょうか。すべてコロナ禍のせいでしょうか。

お役に立ちましたか?今日はこのへんで。
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posted by なると at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | なると社会保険労務士
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