『「いい会社」への成長支援!』の成戸です。
ご愛読ありがとうございます!
今週も会社経営と人事労務のヒントをお伝えします。
◎今回のセミナーで本当は言いたかったこと。
先日『医療従事者の「働き方改革」を学ぶ』オンラインセミナーで講師を担当しました。
内容は「医師の労働時間短縮計画作成ガイドライン(案)について」と題し、
医師が労働基準法によって定められた時間外労働の上限を超えて働くことを認める特例水準の指定を受けるうえで必要な、計画の作成の仕方を中心にお話しました。
今までの医師は昼も夜も関係なく長時間労働をし過ぎてきたことが問題でした。過労による心身の異常は、医師でも一般企業の従業員と同様に発生しています。医療現場で体調不良になる…本末転倒?皮肉?な感じが凄いですね。
今後、医師の時間外労働の時間は法律によって削減されていきます。
これに対しての、時間外労働削減の間違った方向への対処の一例を挙げると、勤務している医療機関から、必要に応じて地方の医療機関へ派遣される医師の場合、派遣元と派遣先(派遣法とは別の話)の両方の時間を労働時間として合計しなければなりません。
すると、時間外労働の上限を超えないように、派遣先で働く時間を減らす、または派遣を中止するような医療機関が出てくる可能性は否定できません。
すると、地方の医師不足に悩んできた医療機関の存続の危機を迎える恐れがあるわけです。
これらの問題については、行政は未だ、想定していない、と表現されていました。
その他の例としては、時間外を減らすために夕方の診療を無くす、診療日を減らす、などのあってはならない方向へ向かわないよう、計画的に時間外労働を減らしてゆく必要があります。
そこで医師の労働時間短縮計画の策定が求められるわけですが、今回のお話の中核として私がお伝えしたかったのは、医師の問題だからと言って、医師だけでは解決できない問題であり、医療機関全体で、もしくは医療機関を超えて地域レベルで取り組む必要がある問題である、という事です(ここまでしか話していません。時間の関係と、我々の立場上説明する範囲がある程度決められている。立場上の問題もある。)。
実際に病院の会議に出席しての医師や事務局の話を聴くと、医師の理解を得て、医師の意識改革をすれば解決するような話題が頻繁に出ます。実際、当人である医師が努力しないと解決しないのは当然ですが、看護師やその他の職員の皆さんの協力があってこそ、働きやすい環境を整えることができると考えた方が合理的ではないでしょうか。
そこで課題になりそうな点として、指示命令に従うだけの規律性を持った人が医療機関の職員として多いとは思いますが、気持ちの面で受け入れるかどうかは別であります。
面従腹背の言葉があるように、心から思いやりを持った協力関係に対し、義務であるため仕方なしに行動するのを比較すれば、その行動や質は少しずつ異なってゆき、日々の職務の中で積み重なって大きな違い(結果)が生まれるものです。
ある病院の事務長さんも仰っていましたが、情意の違いやその差は、仕事ぶりに大きく影響していると、はっきり認識されているようです。
実際は、この辺りを大切に扱う取り組みが目標を達成するうえで遠いようで近いのではないか、もしくは課題の中核なのではないか、と考えています。
これは医療機関に限らず、他業種でも同じであり「人づくり」と私は表現していますが、仕事を器用にこなせる人を作る前、もしくは同時に「社会人として、職業人として、働く仲間としての心を持った人を育てる」ことを大切にしましょう。
お役に立ちましたか?今日はこのへんで。
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成戸克圭「いい会社」研究ホームページ
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岐阜県美濃加茂市の社会保険労務士
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