2023年04月10日

雇用契約書にシャチハタ印


『「いい会社」への成長支援!』の成戸です。
ご愛読ありがとうございます!
今週も会社経営と人事労務のヒントをお伝えします。

◎雇用契約書にシャチハタ印

ある会社であった、数日前の出来事です。

就職時に会社と就職希望者が契約を交わすことによって雇用が開始される重要な手続き「雇用契約書」を書いてもらう段階になりまして、私は「ひょっとして」と勘が働き、

就職希望者へ「署名捺印は手書きですよ。ハンコはシャチハタとかは避けてくださいね」とお伝えしたところ、

「えっ、シャチハタ駄目なんですか?じゃあ家から実印を持ってこなきゃ」との発言がありました。

シャチハタとは、皆さんご存知でしょうが、ゴム印でインクが出る仕組みのものです。便利であり簡易的に使っている人も多いと思います。簡単に作成できる代物であり、文字と書体を決めれば同じものが作れるため、私のような珍しい名字でなければ、すでに出来上がっているものを買うことが出来ます。

つまり例えば山田さんであれば、全く同じ印影となるシャチハタを持っている山田さんは日本中にたくさん存在することになります。

未だ印鑑を必要とする日本社会では、偽造可能もしくは同一の陰影が数千個とある印を使うこと自体、危険なことであり、重要な書面にはシャチハタは避けるべきであります。

と長々と前置きをしたうえで、雇用契約書にシャチハタを用いる思考はどこから来るのか?と気になるわけです。

重要な書類と考えていないのでしょうね。「毎月、給料として数十万円を貰う上での根拠である書面」とは理解していないのであろうことも想像できます。

例えば会社側が「山田さんはウチの会社でボランティアをしてくれた。ありがとう。」と主張したらどうなるのでしょうね。

そこまで極端でなくても契約内容の、例えば○○手当の有無で1つであっても後々になって揉めるというのに。

「社長を信じている」といった善意で成り立っている部分が多いのも事実ですが、社長が間違いを犯すことも、忘れることも、気が変わることもあります。従業員本人も同様です。

最悪な例としてシャチハタであれば契約書を偽造しても同じ印影であれば分かりません。
(むかし、ある人が、多様な名字の印鑑をたくさん持っていたことを思い出しました。100円で買えますからね。)

契約という法律行為があるから権利や義務が成立している、との理解が妙に薄い人が多いのは、日本の歴史などの成り立ちが関係しているような気もしますが、学校で学ぶ機会が少ないもの問題があるように思います。

とは言え、学校入学、車や家の購入、結婚、等々と重要な局面で書面に署名捺印しているはずであり、その意味を知っているはずなんですが。

また、契約書はしっかりと目を通し、理解してから署名捺印すべきであることは当然ですね。面倒でも。

話は変わりますが、昔、働いていた会社で生命保険に入ることになり、会社の一室で保険のおばさんが「ここに署名捺印を」と「説明も無しに」書類を差し出してきて、私が「契約内容を読んでいいですか?」と聞き、内容を読み、おばさんが「分かりましたか?」と聞いてきたので「分かりません」と答えたのですが、それでも笑いながら「ここに署名捺印してください」と言われ、若く愚かな青年は言われるままに署名捺印したことを思い出しました。

あれは、今思えば、保険業法違反ですよね。たぶん今でも同じか、更に悪質な行為をしている人はごく普通に世の中にいます。

そして、地方の主要道路沿いで新品の看板が掲げられているのはいつでも保険会社と銀行の2つというのは、やっぱり違和感を感じるわけですよ。

本当に「自分の身は自分で守る。その上で相手を信頼する。」姿勢が大切ですね。

お役に立ちましたか?今日はこのへんで。
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posted by なると at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | なると社会保険労務士
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