2019年03月11日

無期転換ルールの注意点・省令


「貴社を働く喜びに満ちた会社」に育てる! の成戸です。

本日もご愛読ありがとうございます!

◎無期転換ルールの注意点・省令

新しい法律は、立案者の想定していない現場での法の隙間をカバーできていないものがあります。

そのため、後から穴をふさぐための省令が出たり、時には司法の判断が必要とされて裁判での結果を待つこともあります。

これを例えれば、大きな網を作り、後から網自体が機能するように網目を細く(補足)していく感じでしょうか。

平成31年2月22日に厚生労働省労働基準局長から「労働契約法の無期転換ルールの円滑な運用について」と題した通達が出ています。

無期転換ルールとは 同一の使用者(企業)との間で、有期労働契約が更新されて通算5年を超えたときは、労働者の申込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できるルールです。

有期労働契約とは期間を定めて雇用される契約を言い、例えば1年だけ働く約束をして働き、1年経過したら「契約終了」となるものです。解雇ではありません。

よくあるのは「更新」として
会社側「また1年働いてください」
労働者「いいですよ」
と、更に契約を行い、この繰り返して長く働く人も多くいます。

しかし、有期労働契約は、いつ更新が無くなるか分からず、正社員と比べ安定した働き方ではありません、そのため毎年くりかえして、はじめの雇用から5年を超える「状態になった時」に「労働者が申込権を使い申込み」した場合に無期労働契約…期間を定めないで働く契約となります。

会社側は申し込みに対して拒否できません。

無期転換ルール図.png

これで少しは労働者の生活・人生が安定するというわけです。

気を付けるべきは図のように1年契約の場合は6年目の期間中に申し込みでき、3年の期間契約では初めの3年の次の3年契約期間の初めから申し込みが可能となっています。

さて、この法律は平成25(2013)年 4 月 1 日施行のため、5年を経過し該当する者が多くなっており、無期雇用の従業員を増やしたくないと考える会社の中の一部では、無期転換をさせないように様々な手段を用いているところがあります。

これに対して通達文では
・無期転換申込権が発生する5年を経過する直前に、一方的に、使用者が契約の更新上限を就業規則に設け、これに基づき無期転換申込権の発生前に雇止めを行うこと。

・契約更新上限を設けた上で、形式的にクーリング期間を設定し、当該期間経過後に再雇用することを約束した上で雇止めを行うこと。

とクギを刺しています。

クーリング期間とは、有期契約を終了した労働者が、一定の期間をおいた後に同じ会社に有期雇用されるとき、一定期間を超えた場合は通算せずに、またはじめからカウントすることを言います。

これを利用することで5年間の継続雇用期間をいったん切ることで無期転換申込権を発生させないようにする方法です。

どちらも「直前に」「一方的に」「形式的(のみ)」と表現され、なるほど悪意をもったやり方をしないよう上品に説明しています。

雇用の安定は、その人の生活の安定、ひいては人生の安定を意味します。人生設計ができる、先が見える安心感は大きなものです。それを知らせることが出来るのも会社ですし、体感できた従業員は会社に対して感謝することと思います。

そのほか、従業員の大半を期間雇用とした時、労働力の流動性は非常に高くなっており、人手不足の現状のなか、なんらかのきっかけで従業員が契約の更新を希望せず、他社へと流れてしまうリスクは常にあります。

5年も働けば、働ける戦力となっているでしょう。生産性の高い働き方やノウハウを持っている人もいるでしょう。このような人財が、競業他社へと知識技能をもったまま移動すれば、競業との差は広がるばかりです。

今後の経営人事戦略として長期雇用による財産の蓄積と継続的な利用によって高付加価値な商品を生み出し続ける方向性が望ましいでしょう。

さらに労働職の調整弁として期間雇用や派遣労働者を利用されている会社も多くありますが、好不況の波がある業界だからとして波に身を任せるだけではなく、穏やかな安定した経営を目指すのは経営者として当然の姿勢であり、それは可能だと思います。

今回はお役に立ちましたか?今日はこのへんで。

参照
厚生労働省 無期転換ルールQ&A PDF
http://muki.mhlw.go.jp/campaign/qa.pdf
−−−−−−−−−−−−−−−−−−
成戸克圭「いい会社」研究ホームページ
http://gifusr.jp/laboratory/

事務所
岐阜県美濃加茂市の社会保険労務士
「なると社会保険労務士事務所」のホームページ
http://www.gifusr.jp/

ブログランキングに参加中です。
下の「社労士」ボタンを押していただけると励みになります。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!

以前の記事を読みたい方はカレンダーの数字をクリック!
キーワードで探したい方は検索ボックスで行い、読みたい題名をクリックしてください。

このブログは誰でも読める無料のものです。
このブログの内容を当事務所に相談無く活用する場合は自己責任で行ってください。
活用した際の損害について当事務所は一切責任を負いません。
ブログの内容を書籍・講演・ビジネス等、公的な場で引用する場合は当事務所へご連絡ください。
posted by なると at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | なると社会保険労務士

2019年03月04日

エクセレント企業認定授与式とワーク・ライフ・バランスの取り組みと経年による企業の変化


「働く喜びに満ちた会社」に育てる! の成戸です。

本日もご愛読ありがとうございます!

◎エクセレント企業認定授与式とワーク・ライフ・バランスの取り組みと経年による企業の変化

仕事と家庭の両立に注力すると、会社組織にどのような変化をもたらすのか?

7、8年ほど前の私にとって、自身の目指す「働いて幸せになる会社」づくりの唯一のヒントでした。

岐阜県では平成23年より仕事と家庭の両立を推進する企業の中で優秀な企業を企業として認定する取り組みを行っています。

今年度もアドバイザーとして調査、指導等で関わった企業が岐阜県ワークライフバランス推進エクセレント企業としての認定を受けました。


私は当プロジェクト開始である平成23年のスタート前の企業調査から参加しており、それは仕事と同時に自分の勉強、能力の向上を期待してのことでした。

ということで今回も関係者として2月18日に催された認定式に出席しました。

IMG_20190218_131945.jpg

毎回思うことは、現場のワークライフバランスに組んでいる方々をもっと褒めてあげても良いのではないかと思います。

私の企業ヒアリングや助言指導を直接聞いて、現場で苦労しながら活動されている方々のことを見ている限りにおいて、主役はその人たちだと思うのです。

認定授与式には、経営者やトップに近い方方、私が何回か訪問した時にはお会いしなかった方々がスポットライトを浴びているところを見ると、もちろん会社の顔である方々が受け取るのは分かりますが、表彰台に主役である従業員を上げる時間を用意してもよいのでは?と感じます。

以前にも書いたように、一つのプロジェクト最後まで勢いをに乗せて完遂する効果は高いと思います。

それと同時に労う姿勢がその後の会社の社風をよくしていく、なるように思うのです。


また、過去、1年間に認定される企業が5社程度であったが、今回認定された企業が31社ありました。

年々、認定される会社数が増えていることは良いことと、そうでない意味を含んでいます。

従業員のワーク・ライフ・バランスを良くしようと努力し取り組んでいる企業が増えたと思われること。
岐阜県内の既に良いとされた認定企業は過去に認定されているので、1年の間に急激に良くなる企業が、それほど多くある可能性への疑問。気になります。


話を最初に戻しまして、仕事と家庭の両立を積極的に推進する企業の取り組みが企業にとってどのような影響を与え変化するのか、を考える時、

非常に単純化されてしまっている図式
「ワークライフバランス = 会社が良くなる」
は、あまりにも短絡過ぎます。

そして、短時間での成果を求めすぎているきらいを感じます。

実際には、取り組み以前の組織の状態や外部環境、具体的な取り組み内容、そのプロセスでの対応、組織の実行能力や技術、人間関係の変化など、

会社ごとにそれぞれ違う要素が絡み合って「次の現実」が現れた、と分析し、その中でも各会社ごとに通用する共通項を見つけ出さ中れば、どの会社でも同じようにやれば、同じ結果が出るという意味の「再現性」を担保することはできません。

再現性のない手法を紹介するのは実のところ無責任ですよね。

世の中のワークライフバランスコンサルタントは成功事例を挙げて売り込みます。その裏でどれだけの望まない結果が生まれた企業があったのか。これに対してどのような対策を打ったのか。そこまで公にしているコンサルタントや団体を知りません。

当然、不都合な真実を公表するリスクがあるのは理解します。ただ、公益として良くしていこうとする時に必要です。

経営学の書籍の中には今は亡き有名企業の歴史と衰退した理由を分析しているものもあります。

翻り、エクセレント企業認定された企業の中で、3年〜5年経過した、その後の調査を行い、

いくつかの経営指標の経年変化を見るだけでも評価する上で非常に興味深い現実がわかるのではないかと考えます。

このように書きながら、岐阜県庁の依頼があれば、無ければ個人的にでも調査に行ってみたくなりました。

その時は、また報告したいと思います。


今回はお役に立ちましたか?今日はこのへんで。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−
成戸克圭「いい会社」研究ホームページ
http://gifusr.jp/laboratory/

事務所
岐阜県美濃加茂市の社会保険労務士
「なると社会保険労務士事務所」のホームページ
http://www.gifusr.jp/

ブログランキングに参加中です。
下の「社労士」ボタンを押していただけると励みになります。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!

以前の記事を読みたい方はカレンダーの数字をクリック!
キーワードで探したい方は検索ボックスで行い、読みたい題名をクリックしてください。

このブログは誰でも読める無料のものです。
このブログの内容を当事務所に相談無く活用する場合は自己責任で行ってください。
活用した際の損害について当事務所は一切責任を負いません。
ブログの内容を書籍・講演・ビジネス等、公的な場で引用する場合は当事務所へご連絡ください。
posted by なると at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | なると社会保険労務士

2019年03月01日

3月の労務・税の手続カレンダー(主要)[提出先・納付先]


「働く喜びに満ちた会社」に育てる! の成戸です。

本日もご愛読ありがとうございます!
早くも今年2カ月が過ぎました。
暖かくなりはじめ、花粉が目に見えて舞っている状況に、今年は防御姿勢を保ち、被害を最小に食い止めたいと思います。
それではカレンダーをどうぞ。

◎3月の労務・税の手続カレンダー(主要)[提出先・納付先]

11日 
○ 源泉徴収税額・住民税特別徴収税額の納付[郵便局または銀行]
○ 雇用保険被保険者資格取得届の提出<前月以降に採用した労働者がいる場合>[公共職業安定所]
○ 労働保険一括有期事業開始届の提出<前月以降に一括有期事業を開始している場合>[労働基準監督署]

15日 
○ 個人の青色申告承認申請書の提出<新規適用。のもの>[税務署]
○ 個人の道府県民税および市町村民税の申告[市区町村]
○ 個人事業税の申告[税務署]
○ 個人事業所税の申告[都・市]
○ 贈与税の申告期限<昨年度分>[税務署]
○ 所得税の確定申告期限[税務署]
○ 確定申告税額の延納の届出書の提出[税務署]
○ 財産債務調書、国外財産調書の提出
○ 総収入金額報告書の提出[税務署]

4月1日
○ 健保・厚年保険料の納付[郵便局または銀行]
○ 健康保険印紙受払等報告書の提出[年金事務所]
○ 労働保険印紙保険料納付・納付計器使用状況報告書の提出[公共職業安定所]
○ 外国人雇用状況の届出(雇用保険の被保険者でない場合)<雇入れ・離職の翌月末日>[公共職業安定所]
○ 個人事業者の消費税の確定申告期限[税務署]

今回はお役に立ちましたか?今日はこのへんで。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−
成戸克圭「いい会社」研究ホームページ
http://gifusr.jp/laboratory/

事務所
岐阜県美濃加茂市の社会保険労務士
「なると社会保険労務士事務所」のホームページ
http://www.gifusr.jp/

ブログランキングに参加中です。
下の「社労士」ボタンを押していただけると励みになります。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!

以前の記事を読みたい方はカレンダーの数字をクリック!
キーワードで探したい方は検索ボックスで行い、読みたい題名をクリックしてください。

このブログは誰でも読める無料のものです。
このブログの内容を当事務所に相談無く活用する場合は自己責任で行ってください。
活用した際の損害について当事務所は一切責任を負いません。
ブログの内容を書籍・講演・ビジネス等、公的な場で引用する場合は当事務所へご連絡ください。
posted by なると at 10:30| Comment(0) | TrackBack(0) | なると社会保険労務士

2019年02月25日

可児市わくわくワークプロジェクト協定式


「働く喜びに満ちた会社」に育てる! の成戸です。

本日もご愛読ありがとうございます!

◎可児市わくわくワークプロジェクト協定式

可児市ではワークライフバランスや企業経営の見本となる企業との協定を結び、市が企業を後押しし、雇用の促進等につなげ、また他の企業の見本となるよう周知し、他社が学習し、良い企業が可児市に増える取り組みをしています。

可児市わくわくワークプロジェクト ホームページ
http://www.city.kani.lg.jp/11768.htm

その協定式である「可児市わくわくワークプロジェクト協定式」が2月20日に行われました。

可児市協定式.jpg

可児市わくわくワークプロジェクト協定式2.JPG
(立って説明している成戸)逆光ですね。

私はいくつかの企業へ訪問し、ヒアリング等を行い、協定にふさわしい企業を選定し、推薦する仕事と、

必要であれば企業向けセミナーを行い、より良い企業へと成長する支援をしています。

今回のような協定式やプロジェクトの大切な点として「勢い」があります。

経験則として、物事には勢いに乗せることで多少の問題点を簡単に乗り越えられることがあり、スタート時から終了まで、出来るだけ息切れさせることなく、押し切る(?)ような手段も上手に出来るようになった方が良いと思います。

もちろん企業経営でも勢いはあった方が良いと思います。勢いだけはマグロのように止まったら死にますが。

話を戻して、今回の協定式では私も協定を結ばれた株式会社デンソーワイズテック様と株式会社トイファクトリー様の総評を行いました。

株式会社デンソーワイズテック様は
 職場懇親会や改善提案制度、新入社員には世話人を付ける仕組みにより情報共有と従業員の声を積極的に聞き、労働意欲の維持をし、更には働きやすい職場づくりを行っている。

 従業員が安心して会社に意見を伝えられる仕組みによって生み出されたイノベーションの例として、製品製造方法が特許取得され、省人、時間削減、作業面積の削減、などの大きな効果が出ている。

福利厚生の一部は大企業並みの手厚さであり、また法定の障がい者雇用率を上回る積極的な障がい者雇用もされており、他の見本となる企業であると思います。

株式会社トイファクトリー様は
男性従業員が育児休暇を取得しており、従業員数の少ない中小企業としてワークライフバランスの先進企業と言えます。

会社と従業員とその家族のコミュニケーション向上のために非常に質の高い社内報を作成し配布し、また各地の支店との会議でテレビ会議による遠隔地での迅速な情報共有をしており、誰もが話し合える環境を整えています。

このような従業員が安心して発言できる環境を作り上げてた成果として、従業員側から時間外労働削減や年次有給休暇の取得向上に向けての改善提案が生まれ、実際に改善されている点が素晴らしいところです。

キャンピングカーなどを製造販売されており、現在の国内シェア40%、海外への輸出販売も手掛け、非常に好調な企業です。

しかし実際学ぶ点は、珍しい商品でも大企業のブランド名でもなく、従業員とその家族を大切にする意味での会社から従業員への支援と、従業員から会社への貢献の両輪が好循環を生み出すことである、とお話をしました。

記者会見もあり、私も解説を引き受け、返答しました。

終始、良い雰囲気が漂う中、終了できたことは今後に良い影響を与えると思います。
いい予感を感じる協定式でした。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−
成戸克圭「いい会社」研究ホームページ
http://gifusr.jp/laboratory/

事務所
岐阜県美濃加茂市の社会保険労務士
「なると社会保険労務士事務所」のホームページ
http://www.gifusr.jp/

ブログランキングに参加中です。
下の「社労士」ボタンを押していただけると励みになります。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!

以前の記事を読みたい方はカレンダーの数字をクリック!
キーワードで探したい方は検索ボックスで行い、読みたい題名をクリックしてください。

このブログは誰でも読める無料のものです。
このブログの内容を当事務所に相談無く活用する場合は自己責任で行ってください。
活用した際の損害について当事務所は一切責任を負いません。
ブログの内容を書籍・講演・ビジネス等、公的な場で引用する場合は当事務所へご連絡ください。
posted by なると at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | なると社会保険労務士

2019年02月18日

労働基準監督署からの是正勧告と労務監査のお話


「働く喜びに満ちた会社」に育てる! の成戸です。

本日もご愛読ありがとうございます!

◎労働基準監督署からの是正勧告と労務監査のお話

先週、6年ほど前に一度労災保険の加入状況調査のために訪問した会社から突然連絡がありました。

「労働基準監督署の調査が入り、改善点を指摘されたので、お願いしたい。」との事でした。

実際には今回は、各会社ごとに労働基準監督署に来署するように手紙での要請があり、

数社ごとに賃金台帳、出勤簿、労働者名簿といった基本の「労働3帳簿」から、 就業規則やタイムカードなと、細かく法令に沿って実務をこなしているか確認されます。

今回は、ここでいくつかの項目で引っかかったわけです。

改善するまでの期限を労働基準監督署の職員に決定されているため、急いで修正もしくは改善しなければなりません。

そのため一般企業の人事労務担当者や、中小企業の経営者(時に社長の奥さんなど)が自分の手に余る内容だとして、我々社会保険労務士に依頼してくるわけです。

そこで、会社に訪問し、改善する箇所とその手法、そして私の報酬額に合意頂いて仕事がスタートします。

今回は、
・従業員採用時の労働契約の書面表示と合意書の未作成。
・時間外労働を可能とする三六協定の未作成
・合わせて時間外労働に対する割増賃金の計算方法の間違いによる未払賃金の発生
・給与から控除するの労使の合意(協定)の未作成(互助会費やお弁当代など)

といった基本的なものについて、 指摘されてしまいました。

これらを修正し、書面を作成するものは作成し、報告書を労働基準監督署に提出しなければなりません。

これらを期限までに何の理由もなく実行しない場合は、法令に則り懲役または罰金と言った刑罰が下され、時には新聞に載ったりします。

つまりは労働基準監督署も違法行為をしている会社に対して即座に罰則を与えるようなことが分かります。


話を戻しまして、今回の指摘された点は人事労務の実務として非常に基礎的なものでありますが、小さな会社では今まで何の問題もなかったとして、何十年も知らずに見過ごされてきたものです。

それを今回、労働基準監督署は、きっちりと見つけて指摘されました。

どうやら近年、厳しく取り締まるようになってきたようです。

この姿勢の変化を推測するに、働き方改革関連法は、従前の労働法の上に成り立つものであるため、まずはすべての会社の人事労務の実務の基礎を整える必要から、各社の遵守を徹底しているように思われます。

例えば労働時間を正確に把握する術を持っていない会社が、労働時間の上限を守ろうにも、把握出来なければ守れません。

付け加えれば、三六協定の存在を知らない会社が労働時間の上限について知識がある可能性は低いと考えられます。


翻って、働き方改革関連法について深く考える前に、きちんと従前の法令を遵守しているかどうかを振り返る必要がある、ということになります。

「今まで労働基準監督署や、その他誰にも指摘されなかったから自社は大丈夫だろう」ではなく、(労働基準監督署に指摘されるのは嫌でしょうから)社会保険労務士等の専門家に「労務監査」といった形で診断してもらってはどうでしょうか。

会社自体の健康診断ですね。

言い方はよろしくないですが、労基署の問題点の指摘から改善までの期間は平均1ヶ月以内と、あまり長くありません。戦略も戦術ありはせず、なりふりかまわぬ修正を迫られます。

これに対し、例えば社会保険労務士の労務監査による指摘であれば、少しは時間を稼いで社内に大きなショックを与えず中期的に改善できる可能性はあります。

私見ですが地元で名の知られた企業であっても、会社の良いところを聞き出そうとしているインタビューであっても、時として怪しく感じられる箇所を見つけてしまうこともあります。

完璧な会社はないと考えて良いのではないでしょうか。

社会保険労務士を上手に活用していただきたいと思います。

今回はお役に立ちましたか?今日はこのへんで。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−
成戸克圭「いい会社」研究ホームページ
http://gifusr.jp/laboratory/

事務所
岐阜県美濃加茂市の社会保険労務士
「なると社会保険労務士事務所」のホームページ
http://www.gifusr.jp/

ブログランキングに参加中です。
下の「社労士」ボタンを押していただけると励みになります。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!

以前の記事を読みたい方はカレンダーの数字をクリック!
キーワードで探したい方は検索ボックスで行い、読みたい題名をクリックしてください。

このブログは誰でも読める無料のものです。
このブログの内容を当事務所に相談無く活用する場合は自己責任で行ってください。
活用した際の損害について当事務所は一切責任を負いません。
ブログの内容を書籍・講演・ビジネス等、公的な場で引用する場合は当事務所へご連絡ください。
posted by なると at 03:14| Comment(0) | TrackBack(0) | なると社会保険労務士

2019年02月11日

働き方改革関連法セミナー講師 報告

「働く喜びに満ちた会社」に育てる! の成戸です。

本日もご愛読ありがとうございます!

◎働き方改革関連法セミナー講師 報告

新たな法改正への対応方法を伝授。

1月25日に岐阜県大垣市、2月7日に岐阜県関市で「岐阜県社会保険協会主催:働き方改革関連法対応セミナー」講義を行いました。

私は関市に自宅があり、今回は初めて地元で企業向けの講義を行うことが出来たので、ようやく地元に接点が出来た気持ちです。

働き方改革関連法のセミナー.jpg
働き方改革関連法のセミナー2.jpg

参加者が大垣120名、関市100名満員御礼と、皆様の今回の法改正への関心の高まりを実感します。

改革関連法の内容を知りたいと思われるのが当然ですが、実際は今までの労働法を踏まえたうえでの理解が必要になるため、一般的な人事労務担当者の理解の程度を推し量りつつ、改正前の話から進めました。

例えば、従業員に残業をしてもらうには36協定を結び、労働基準監督署への提出が必要となります。これが出来ていない会社に「時間外労働の上限規制」の話をしても効果はありませんね。

立って話をする講師からは100人の参加者であっても不思議と一人一人の顔が見えるもので、このような前提を話している時点で険しい顔をされる人が見えてしまい、基本が出来ていない可能性があるのだろうと推測してしまいます。

講師をする側の人間として、今回の働き方改革関連法を要約してしまえば、その実務対応の変更点は、それほど多くはありません。

・時間外労働時間の上限が出来たため、上限に触れないように管理する。
・年次有給休暇の取得管理簿を作成し、年に5日以上の取得を管理する。
・従業員の健康管理のために、産業医等との付き合いを密にする。

これらの内容であっても、以前から残業を減らすように努力し、年次有給休暇の取得を促し、従業員の健康に十分に配慮してきた会社であれば、特別な負担はとても少ないものです。

実務上の現実でありそうな話として、指揮命令を無視して
・残業を止めない従業員がいる。
・年次有給休暇を取得しない従業員がいる。
このような問題は今までの「上司の指示命令を守らない従業員問題」が一部表面化しただけと言えなくもありません。法対応とは別の組織力や従業員教育が論点になります。

講義の最後に、働き方改革関連法の意味として「労働時間の削減、年次有給休暇の取得増、給与平均額の上昇を求められており、今後の人件費の増大が見込まれる中、会社経営そのものの形が問われる」とお伝えしましたが、真意が伝わっているのかどうか、危機感を持たれている人が少なかったように感じました。皆さん利益率に余裕があるのかな?

例えば今回の「時間外労働上限規制数値以上に残業しないと経営が成立しない」場合は「脱税をしないと会社がつぶれる」と同じ意味であり、日本に存在してはいけないことになります。ビジネスモデルそのものの改革を迫られているのです。

今回勉強に来られた方々は、安定した経営をされているのであろうと楽観的に見ておきます。何かあれば相談がくるのでしょう。出来れば将棋の詰みのような状況になる前に相談に来てもらいたいと願うばかりです。

今回は以上です。内容はお役に立ちましたか?今日はこのへんで。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−
成戸克圭「いい会社」研究ホームページ
http://gifusr.jp/laboratory/

事務所
岐阜県美濃加茂市の社会保険労務士
「なると社会保険労務士事務所」のホームページ
http://www.gifusr.jp/

ブログランキングに参加中です。
下の「社労士」ボタンを押していただけると励みになります。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!

以前の記事を読みたい方はカレンダーの数字をクリック!
キーワードで探したい方は検索ボックスで行い、読みたい題名をクリックしてください。

このブログは誰でも読める無料のものです。
このブログの内容を当事務所に相談無く活用する場合は自己責任で行ってください。
活用した際の損害について当事務所は一切責任を負いません。
ブログの内容を書籍・講演・ビジネス等、公的な場で引用する場合は当事務所へご連絡ください。
posted by なると at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | なると社会保険労務士
にほんブログ村 士業ブログ 社会保険労務士(社労士)へ
にほんブログ村 にほんブログ村 経営ブログ 人事・総務へ
にほんブログ村