2019年03月11日

無期転換ルールの注意点・省令


「貴社を働く喜びに満ちた会社」に育てる! の成戸です。

本日もご愛読ありがとうございます!

◎無期転換ルールの注意点・省令

新しい法律は、立案者の想定していない現場での法の隙間をカバーできていないものがあります。

そのため、後から穴をふさぐための省令が出たり、時には司法の判断が必要とされて裁判での結果を待つこともあります。

これを例えれば、大きな網を作り、後から網自体が機能するように網目を細く(補足)していく感じでしょうか。

平成31年2月22日に厚生労働省労働基準局長から「労働契約法の無期転換ルールの円滑な運用について」と題した通達が出ています。

無期転換ルールとは 同一の使用者(企業)との間で、有期労働契約が更新されて通算5年を超えたときは、労働者の申込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できるルールです。

有期労働契約とは期間を定めて雇用される契約を言い、例えば1年だけ働く約束をして働き、1年経過したら「契約終了」となるものです。解雇ではありません。

よくあるのは「更新」として
会社側「また1年働いてください」
労働者「いいですよ」
と、更に契約を行い、この繰り返して長く働く人も多くいます。

しかし、有期労働契約は、いつ更新が無くなるか分からず、正社員と比べ安定した働き方ではありません、そのため毎年くりかえして、はじめの雇用から5年を超える「状態になった時」に「労働者が申込権を使い申込み」した場合に無期労働契約…期間を定めないで働く契約となります。

会社側は申し込みに対して拒否できません。

無期転換ルール図.png

これで少しは労働者の生活・人生が安定するというわけです。

気を付けるべきは図のように1年契約の場合は6年目の期間中に申し込みでき、3年の期間契約では初めの3年の次の3年契約期間の初めから申し込みが可能となっています。

さて、この法律は平成25(2013)年 4 月 1 日施行のため、5年を経過し該当する者が多くなっており、無期雇用の従業員を増やしたくないと考える会社の中の一部では、無期転換をさせないように様々な手段を用いているところがあります。

これに対して通達文では
・無期転換申込権が発生する5年を経過する直前に、一方的に、使用者が契約の更新上限を就業規則に設け、これに基づき無期転換申込権の発生前に雇止めを行うこと。

・契約更新上限を設けた上で、形式的にクーリング期間を設定し、当該期間経過後に再雇用することを約束した上で雇止めを行うこと。

とクギを刺しています。

クーリング期間とは、有期契約を終了した労働者が、一定の期間をおいた後に同じ会社に有期雇用されるとき、一定期間を超えた場合は通算せずに、またはじめからカウントすることを言います。

これを利用することで5年間の継続雇用期間をいったん切ることで無期転換申込権を発生させないようにする方法です。

どちらも「直前に」「一方的に」「形式的(のみ)」と表現され、なるほど悪意をもったやり方をしないよう上品に説明しています。

雇用の安定は、その人の生活の安定、ひいては人生の安定を意味します。人生設計ができる、先が見える安心感は大きなものです。それを知らせることが出来るのも会社ですし、体感できた従業員は会社に対して感謝することと思います。

そのほか、従業員の大半を期間雇用とした時、労働力の流動性は非常に高くなっており、人手不足の現状のなか、なんらかのきっかけで従業員が契約の更新を希望せず、他社へと流れてしまうリスクは常にあります。

5年も働けば、働ける戦力となっているでしょう。生産性の高い働き方やノウハウを持っている人もいるでしょう。このような人財が、競業他社へと知識技能をもったまま移動すれば、競業との差は広がるばかりです。

今後の経営人事戦略として長期雇用による財産の蓄積と継続的な利用によって高付加価値な商品を生み出し続ける方向性が望ましいでしょう。

さらに労働職の調整弁として期間雇用や派遣労働者を利用されている会社も多くありますが、好不況の波がある業界だからとして波に身を任せるだけではなく、穏やかな安定した経営を目指すのは経営者として当然の姿勢であり、それは可能だと思います。

今回はお役に立ちましたか?今日はこのへんで。

参照
厚生労働省 無期転換ルールQ&A PDF
http://muki.mhlw.go.jp/campaign/qa.pdf
−−−−−−−−−−−−−−−−−−
成戸克圭「いい会社」研究ホームページ
http://gifusr.jp/laboratory/

事務所
岐阜県美濃加茂市の社会保険労務士
「なると社会保険労務士事務所」のホームページ
http://www.gifusr.jp/

ブログランキングに参加中です。
下の「社労士」ボタンを押していただけると励みになります。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!

以前の記事を読みたい方はカレンダーの数字をクリック!
キーワードで探したい方は検索ボックスで行い、読みたい題名をクリックしてください。

このブログは誰でも読める無料のものです。
このブログの内容を当事務所に相談無く活用する場合は自己責任で行ってください。
活用した際の損害について当事務所は一切責任を負いません。
ブログの内容を書籍・講演・ビジネス等、公的な場で引用する場合は当事務所へご連絡ください。
posted by なると at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | なると社会保険労務士

2019年03月04日

エクセレント企業認定授与式とワーク・ライフ・バランスの取り組みと経年による企業の変化


「働く喜びに満ちた会社」に育てる! の成戸です。

本日もご愛読ありがとうございます!

◎エクセレント企業認定授与式とワーク・ライフ・バランスの取り組みと経年による企業の変化

仕事と家庭の両立に注力すると、会社組織にどのような変化をもたらすのか?

7、8年ほど前の私にとって、自身の目指す「働いて幸せになる会社」づくりの唯一のヒントでした。

岐阜県では平成23年より仕事と家庭の両立を推進する企業の中で優秀な企業を企業として認定する取り組みを行っています。

今年度もアドバイザーとして調査、指導等で関わった企業が岐阜県ワークライフバランス推進エクセレント企業としての認定を受けました。


私は当プロジェクト開始である平成23年のスタート前の企業調査から参加しており、それは仕事と同時に自分の勉強、能力の向上を期待してのことでした。

ということで今回も関係者として2月18日に催された認定式に出席しました。

IMG_20190218_131945.jpg

毎回思うことは、現場のワークライフバランスに組んでいる方々をもっと褒めてあげても良いのではないかと思います。

私の企業ヒアリングや助言指導を直接聞いて、現場で苦労しながら活動されている方々のことを見ている限りにおいて、主役はその人たちだと思うのです。

認定授与式には、経営者やトップに近い方方、私が何回か訪問した時にはお会いしなかった方々がスポットライトを浴びているところを見ると、もちろん会社の顔である方々が受け取るのは分かりますが、表彰台に主役である従業員を上げる時間を用意してもよいのでは?と感じます。

以前にも書いたように、一つのプロジェクト最後まで勢いをに乗せて完遂する効果は高いと思います。

それと同時に労う姿勢がその後の会社の社風をよくしていく、なるように思うのです。


また、過去、1年間に認定される企業が5社程度であったが、今回認定された企業が31社ありました。

年々、認定される会社数が増えていることは良いことと、そうでない意味を含んでいます。

従業員のワーク・ライフ・バランスを良くしようと努力し取り組んでいる企業が増えたと思われること。
岐阜県内の既に良いとされた認定企業は過去に認定されているので、1年の間に急激に良くなる企業が、それほど多くある可能性への疑問。気になります。


話を最初に戻しまして、仕事と家庭の両立を積極的に推進する企業の取り組みが企業にとってどのような影響を与え変化するのか、を考える時、

非常に単純化されてしまっている図式
「ワークライフバランス = 会社が良くなる」
は、あまりにも短絡過ぎます。

そして、短時間での成果を求めすぎているきらいを感じます。

実際には、取り組み以前の組織の状態や外部環境、具体的な取り組み内容、そのプロセスでの対応、組織の実行能力や技術、人間関係の変化など、

会社ごとにそれぞれ違う要素が絡み合って「次の現実」が現れた、と分析し、その中でも各会社ごとに通用する共通項を見つけ出さ中れば、どの会社でも同じようにやれば、同じ結果が出るという意味の「再現性」を担保することはできません。

再現性のない手法を紹介するのは実のところ無責任ですよね。

世の中のワークライフバランスコンサルタントは成功事例を挙げて売り込みます。その裏でどれだけの望まない結果が生まれた企業があったのか。これに対してどのような対策を打ったのか。そこまで公にしているコンサルタントや団体を知りません。

当然、不都合な真実を公表するリスクがあるのは理解します。ただ、公益として良くしていこうとする時に必要です。

経営学の書籍の中には今は亡き有名企業の歴史と衰退した理由を分析しているものもあります。

翻り、エクセレント企業認定された企業の中で、3年〜5年経過した、その後の調査を行い、

いくつかの経営指標の経年変化を見るだけでも評価する上で非常に興味深い現実がわかるのではないかと考えます。

このように書きながら、岐阜県庁の依頼があれば、無ければ個人的にでも調査に行ってみたくなりました。

その時は、また報告したいと思います。


今回はお役に立ちましたか?今日はこのへんで。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−
成戸克圭「いい会社」研究ホームページ
http://gifusr.jp/laboratory/

事務所
岐阜県美濃加茂市の社会保険労務士
「なると社会保険労務士事務所」のホームページ
http://www.gifusr.jp/

ブログランキングに参加中です。
下の「社労士」ボタンを押していただけると励みになります。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!

以前の記事を読みたい方はカレンダーの数字をクリック!
キーワードで探したい方は検索ボックスで行い、読みたい題名をクリックしてください。

このブログは誰でも読める無料のものです。
このブログの内容を当事務所に相談無く活用する場合は自己責任で行ってください。
活用した際の損害について当事務所は一切責任を負いません。
ブログの内容を書籍・講演・ビジネス等、公的な場で引用する場合は当事務所へご連絡ください。
posted by なると at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | なると社会保険労務士
にほんブログ村 士業ブログ 社会保険労務士(社労士)へ
にほんブログ村 にほんブログ村 経営ブログ 人事・総務へ
にほんブログ村